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必ず健聴者と会話ができるようにするために!幼児期の話しかけ方のコツ②

公開日2016/05/22最終更新日2017/03/29

ことば・語彙

必ず健聴者と会話ができるようにするために!幼児期の話しかけ方のコツ②

デフサポのユカコです。本日は幼児期のうちから実践するべき話しかけ方について。

幼児期の話しかけ方のコツ①
幼児期の話しかけ方のコツ②(今回)
幼児期の話しかけ方のコツ③
幼児期の話しかけ方のコツ④

目指すのは健聴者と会話ができるようになること

そのためにはまず幼児期のうちから聞こえる人の会話テンポに慣れさせることが大切になります。

加えて聞き取りor口の動きを読めるようにする能力、会話の流れをくむ能力があれば大体の会話は問題なくできるようになります。特に柔軟性があり言葉の吸収時期でもある小さいうちに必ず注意してほしいのが会話テンポを覚えさせることです。

やってはいけないNGポイント!

①いつもより大きな声で話す必要はありません。

元来声が大きい人ならともかく、ご両親がいつも出すボリューム以上に大きな声で話しかけると、口の形が崩れて不自然になり、声もいつもとは異なってくるので、子供がそれに慣れてしまうと不自然な口の形&大きな声でしかわからないようになってしまいます。

なので必ず「いつもの声の大きさ」を意識してください。

余談ですが…たまに障害について詳しくない人に難聴なんです。というと、耳元で大声を出して「このくらいの!声なら聞こえますか!?」と話す人がいるのですが、、耳が遠いわけじゃないので耳元で大声でしゃべられるととてもうるさいうえに、何を言っているのか、全然わかりません。さらに補聴器のハウリングもしてしまうのでとても不快になるだけです…。気持ちはうれしいんですけどね?

②ボソボソ話してはいけません。

こちらは特に男性に多く、難聴児のパパにも当てはまる人が多いのですが…目を合わせずに下を向いてぼそぼそ話したり、口の形がはっきりしないような話し方をする人がいます。

ぼそぼそ話していると難聴児はただでさえ聞こえづらいのにさらに聞こえづらくなってしまう上に、口の形も分からず、会話がわからないことで『ぼくが、耳が聞こえないから会話できないんだ…』と本能的に思ってしまうことが良くあります。そうすると会話に自信がなくなってしまいます!

『この人がぼそぼそしゃべるからわかりづらいんだ!』と分かるまではもう少し年齢を重ねて経験を積まないとわかりません。

なので、ぼそぼそ話す人が難聴児の身近(父親/祖父母/先生…等)にいる場合はなるべくはっきりと話すように伝えてください。

③早口すぎてもいけません。

自分で書いていて耳が痛いのですが…、私めっちゃ早口になってしまいやすいんです…。
早口になってしまうと、口の形がはっきりしなくなります。
また、発音も聞き取りづらくなるので基本的に早口はやめましょう。

一番やってしまいがちだが、一番ダメなNGポイント!

おおーきなくちをあけてゆーっくり一字一句丁寧に話すのは…一番ダメです!!!

→難聴ということをわかっていて、ちゃんと話してあげようと思う方がいちばんやりがちなのですが、「あ ・ の ・ ね ・ ○ ・ ○ ・ ちゃ ・ ん ・い ・ ま ・ か ・ ら・・・・」みたいな感じですっごく口を大きく開けて一文字一文字ゆっくり話す人が一番ダメです!

文章や単語の区切りもわからないし、何を言っているのか一番わかりにくくなってしまう話し方です。更に口の形もわざと大きく開けることで不自然な形になり、イントネーションや声の抑揚も不自然になってしまいます!

なのでこういった話し方は百害あって一利なし!絶対にやめてください。

ではどんな話し方が一番いいのか?

難聴児が自然と普通の会話のテンポを学ぶ話し方はズバリこれ!

子供の顔をちゃんと見ながらはっきり自然に話すこと!
間を置くときは自然に息継ぎをするような場所(文節や文と文の間など)になります。

※不自然にゆっくり話したり、早口で話すのではなく、普通のテンポで話してください。

はっきりって、どういう風に・・・?と思うと思いますが、国語の授業のときにするような音読のときって、心なしかいつもよりも口もしっかり動かしたりしませんでしたか?そういう感じのイメージで、普通に話すくらいで充分なんです!!!

”難聴児”だから・・・と意識しすぎる話し方が一番よくありません。今後難聴児は親の庇護下から出て、通訳してくれる人無しに聞こえる人と話す機会や、難聴の人に出会ったことのない人に会う機会も増えます。

そういったときにだれとでも会話ができるように、相手の言っていることがわかるようにするためには、

幼児のうちから「難聴児」向けの話し方ではなく、「普通の子と変わらない話し方だけど、ちょっと気を付けてあげる」くらいの話し方に慣れさせるのが一番ベストです!

 

私自身の経験から聞こえる人たちが普通に話すのを理解できるようになることが、健聴者とのコミュニケーションで一番大事だと思っています。なので、ぜひぜひ子供がことばを学び始める時期から、早めに気を付けて欲しいとおもいます!

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