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難聴理解の出張授業について(幼稚園&小学校Ver)

公開日2017/11/14最終更新日2018/03/24

★お知らせ(出張授業/ワークショップ等)

難聴理解の出張授業について(幼稚園&小学校Ver)

保育園・幼稚園や学校で出張授業をしています~♡出張授業では毎回本当に面白い意見が出たり、びっくりするようなことが多く、個人的にいろいろと気づきがあるので、これは共有しなきゃ!!と書くことにしました!よかったらお付き合いくださーい✨

出張授業の進め方

基本的にざっくりとした内容はご両親の希望や学校の希望に沿って決めます。聴力によっても違うし、お子さんによって苦手なことはそれぞれ違います。なのでそういったことをお伺いしたうえで対応させていただきます。

そして当日のお子さんの食いつき方や、集中力によって内容を増減させたり、話す内容を変更しています。特に小学生くらいまでは集中力が切れるのが早いので、あ、集中が切れてきたな~と思ったらちょっと質問を入れたり、予定してた内容をちょっと変えたりと結構アドリブで対応しちゃうことが殆どです。

幼稚園(静岡県)

両耳に人工内耳を装用されているお子さんがいらっしゃる幼稚園に出張授業に行ったときの写真です。

基本的には園児の場合はイラスト中心に分かりやすくお話しをします。
年長さんのクラスで説明をしたのですがじーーーっと真剣に聞いてくれていました。
お話の途中でいろいろ手を挙げてもらって、それぞれが思ったことを率直に言ってもらいます。
例えばどんなことを話したのかと言うと…

▼補聴器と人工内耳の仕組みとか。園児に!難しそうだけど、ことばを選んで説明すれば結構ちゃんとわかってましたよ~✨

▼ここからはいろいろ子供たちに手を挙げてもらい答えてもらいました。なるべく手を挙げてくれた人は全員あてるように。みんな思っていた以上に挙げてくれましたよ~

ユカコ)人工内耳を外したらどんなふうに聞こえると思う?
園児1)わーわーわーって聞こえる!
園児2)何も聞こえないんじゃない?
園児3)ぼーん!って聞こえる!
園児4)さっき(の説明)みたいに音がゆがんで聞こえる!

結構すごいですよね!ちゃんと考えています。そして他にも人工内耳の仕組みとかいろんな話をして、聞こえない子が困っている場面をイラストを見せながら出してみて、どうしたらいいかも園児たちと一緒に考えました。

ユカコ)次はちょっと難しいよ~!こんな風に何人かでしゃべっているとき、聞こえない子がみんなの言っていることが分かっていないっぽいな~ってときはどうする?
園児1)んーと、順番にしゃべる!
園児2)一人ずつ聞いて、お話しを一人ずつしゃべっていく
園児3)友達が大きな声を出さなければ聞こえるよ!
園児4)じゃんけんで順番を決めてしゃべる!

こんな風にいろいろと考えてお話をしてくれました。
「いろいろとこうするともっとわかりやすくなるかもね~♪」と話すポイントをお話しをして、

▼「みんな、できるかな?」と聞くと、「はーい!」といいお返事!

最後は世界にいろんな人種の人がいるという話も含めて、園児にはちょっと難しい話かなー?というお話もしましたがよくわかってました。

幼稚園児とはいえ思っていた以上にいろいろ考えていて、本当にびっくりしたのとともに、ちゃんと聞こえについて正しい情報を話すことの重要性を考えさせられました。

正直言って、難聴者に出会ったことの無い大人よりも、この子達のほうがすんなり対応できるんだろうな~!と言う感じ。


そして…!さいごこちらの園では、私が話した内容だけではなく、園児たちが答えてくれた内容まで含めて先生がクラスだよりにしてくれました!!すごい感動~~~!!
ありがとうございました!✨(あえてぼかしています)

小学校(大阪府)

両耳とも補聴器をつけている難聴児がいる小学校2年生のクラスごとで出張授業をしたときの写真です。
3クラス分の授業をしたのですが、クラスごとによってもカラーが違うし、生徒たちが話してくる内容が全然違うしでとても楽しい授業でした。

▼こちらは難聴児のいないクラスで自己紹介をしました。

ユカコ)「聞こえない人のこと知ってる~?」
と言うと(同じ学年にいるので)全員知ってはいました!

が、実際に話したことがない子たちも多く、なじみがない感じでした。そしてなんで耳聞こえへんのにしゃべれんのん?と不思議そうにしながらヤジを突っ込んでくる子も。その話を今からするで~!きいてな♪と色々園児とお話しをしながら進めていきます。

▼聞こえ方や、難聴についての説明をしてどういう風にしたらいいかのコツも伝えました。

ユカコ)例えば学校の授業でも結構わかりにくいことってあるねん。さっきちらっと聞こえないことについて話したけど、学校やったらどういうとき困ると思う?
生徒1)チャイムが聞こえへんから休み時間がわからんくて帰ってこれない
生徒2)友達としゃべられへんくてつまんない
生徒3)(手を挙げたけど)わからんかった…
生徒4)授業がわからへんくて困るとか?でもさあ、(難聴児)くんはちゃんときこえてることもあるで。

ユカコ)そーやねん、全部わからへんわけちゃうねんよ。わかることも多いねんけど、分からへんことも結構あるねん~そのあたりが難しいところ。
これから学校で困ることと、どういう風にしたら助かるかっていう話をするね~

(と色々話していく)

▼そして皆、さっき言ったことできますか~?と聞くと「はーい!」といいお返事!

※「聞こえない子への話し方」自分たちでもいろいろ考えてもらったりしたいな~と思ったので難聴児のいるクラスではその子に対してお題がちゃんと伝わるかどうか…のゲーム、
難聴児のいないクラスでは私にちゃんとお題が伝わるか・・といったゲームを含めていろいろやりました。

▼よし、各班にわかれてくださーい!※この教室はテニスボールがあるので、机を動かしても比較的静かです

▼小学校2年生が知ってる言葉でかつ、結構聞き間違いをしやすいことばを各班に伝えました。
そしてそれを聞こえない私、もしくは難聴児に伝えてもらいます。(※赤い服の子が難聴児)

よし!じゃあ実際にさっき言ったことを実践してみましょう!というわけで…

ユカコ)お題を私に伝えてみよう!!

生徒1)は・し!
ユカコ)はち?虫の蜂??
生徒2)ちゃう!はしやって!はし!
ユカコ)はし?あってる?(と食べる箸のイラストを書いていく)
生徒3)えっと、これは食べる箸やろ、ちゃうねん、歩いてわたる橋!
ユカコ)おお!わかった!!橋ね!

みたいな感じでやっていきました。

こちらの班の場合だと、『生徒3』さんが言うてくれたみたいにこんな風に「渡る橋」って、説明してもらったらすぐわかることもあるけど、はし!だけ言われたら全然伝わらへんこともあるねんよ~!
とお話しをしました。
みんななんとなく聞こえない私が思いっきり聞き間違いをしたりするところを見てちょっと聞こえないということについて実感していました。

もちろん、班によって、伝える方法はそれぞれ違って、書いてくれたり、ジェスチャーをしてくれたり、空書きをしてくれたり、分かりやすく口を見せてくれたり…みんなそれぞれ考えて、お題のことばをちゃんと違う言葉で説明したりして、ちゃんと相手に伝わるまで、どの班もしっかりできました!✨

全体感想

やっぱり【難聴児がいる】園や学校と、【難聴児がいない】理解するスピードも全然違いますので園や学校によって話す内容も、大きく変わってきます。

そして難聴児が1人いるだけでクラスでの理解も早いし子供はそういったいろいろな子がいるっていうことを当たり前のように小さい時から知っていることで、【偏見】とかそういったことは全然ありませんでした。

やっぱり早い段階でいろんな子に出会っておくっていうのは大事!

ちょっと難しい話でもしっかり聞いてくれたので同じようなことを話すにしても、年齢相応の言葉に合わせて話すだけで想像以上に理解してくれました。

もちろん聞こえない事そのものについては大変なこともたくさんあります。
でも、ちゃんと疑問点について説明をしてもらえるきっかけさえあれば子供たちはそのままありのまま受け止めてくれる子が多いなあ~と私は思いました。

周囲の理解が何より難聴児が楽しく学校生活を過ごすのに必要不可欠なものだと思っているので、難聴理解の授業の必要性をますます実感しました!笑
学校だと本当にいろいろな場面に出会うと思います。説明していない事のほうが多いです。そんなときにどうやればいいかを【考えて】くれるようになるのが一番大事だと実感しています。

こちらで上げた2校はほんの一例ですが、いろいろな学校に行けば行くほど学校のカラーも違うし、子供たちが言うことも全然違うしで本当に難聴理解の授業って、奥が深いな~と私としても勉強になります!

学校関係者の皆様、そして依頼された皆様、本当にありがとうございました♪
そして次回は耳の聞こえない人が一人もいない中学校での講演会verも描いていきたいと思います♪。

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