難聴児の親がついやってしまう!子供の語彙数増加を妨げる会話とは

デフサポのユカコです。

①日常会話で使う語彙数
②語彙を増やすためにやってはいけない会話(今回)
③日常会話で使う語彙数を倍にする方法
④ご両親に求められることはこれだ!

大人が日常生活で使っている言葉の数は思っているよりも少ない!というお話でしたが…さらに、難聴者の親が陥りやすいダメなポイントがあります。

難聴児の最低目標は日常会話が成り立つこと

子供の言葉や語彙数が増え始めると、お互いの会話がずいぶん成り立つようになります。こういったことは健聴者の親よりも難聴者の親のほうがとても実感すると思います。

前回話した通り日常会話で約1000語程度を使っているので、子供の習得数も1000語から1500語を超えてくると家での日常会話では不便がない程度にお互いの意思疎通が可能になります。健聴者であればだいたい3歳くらいの子供との会話が成り立つイメージです。

本来日常会話とはいえ毎日同じことを話しているわけではないのですが、、、実態としては7割以上は同じ言葉を使用しているため、子供の知っている言葉が大体3000語を超えてくると日常会話ではお互いの話が通じるようになり、相手の言いたいことも割とわかるようになります。

追記※あくまでも家での日常会話で不便がないレベルが1500語ぐらいとなります。日本語で、問題なく9割がた意思疎通するには1万語必要になります。→こちらの記事★

特に最初言葉が増えなくて苦労した難聴児のいる家庭ほど、「うちの子だいぶ言葉が増えたな~」とか「本当意思疎通ができるようになって楽だわ~」と思うと思います。

本当にここまでご両親が頑張ってきたことが伺えます。

では次は本題!

難聴児の親がついやってしまう!子供の語彙数増加を妨げる会話とは

最低目標をクリアして、日常会話が何とか伝わるようになってくると難聴児の親は安心してしまいます。ようやく意思疎通ができるようになったしよかった~!という風になります。

 

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そうなるとどういった問題がでてくるのか…

せっかく意思疎通ができていて楽になってきているので、あえて子供の知らない言葉を使わないようになります!

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例えば、

「今日はお母さんのお友達が来るから、お部屋片づけてね~」

といつも言っているような言葉を使って説明するのと、

「今日は来客があるから、部屋をきれいに保っておいてね」

と普段使わないような言葉を使って説明するのと、どっちの会話を難聴児に使うかというと断然前者ですよね!難しい言葉がないので子供も一発で分かってくれます。

もし後者を話すと、「らいきゃく?らいかく?ってなに?」→「お客様が来ることを「らいきゃく」というんだよー」、そして「部屋をきれいに保つ」っていうのは「(部屋を綺麗な)状態のままにしておいてねって意味だよ~!!」といった説明をしないといけなくなるので、どうしても会話がめんどくさくなったりしますし、一つの会話に時間がかかります。

さらに難聴児の場合は、初めて聞く言葉は紙に書いたり指文字で説明しないといけない可能性も高く、一つの話をするのに聞こえる子なら30秒で説明も終わる話が難聴児だと3-5分ほどかかったりすることもあります。

そのためどうしても日常ではお互い知っている言葉でさくさくっと意思疎通をしてしまいがちですが、いつもいつも同じような言葉を使っているとどうしても「来客」とか「保つ」という言葉を子供が知らないまま成長してしまいます。

聞こえる子はそれでもほかの場面で大人同士の会話を耳にしたりして「来客」だったり「保つ」の意味を自然と習得しますがそれができないのが難聴児なんですね。

なので、こういった「難聴児のいるおうちで必ず伝わる会話」をしてしまいがちになります。
他にも、聞き間違えやすい「7」を「しち」とは言わず「なな」と言うようにしたり。

これではせっかくの子供の語彙数増加率が日常会話レベルの1500語程度で止まってしまい、そこからの伸び率が悪くなってしまいます!

そうなると・・・

家での日常会話は問題なくできるが…本来知ってて当然のはずの言葉を知らない子になる!

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どうしても日常会話で使う言葉以外の語彙数が圧倒的に減ってしまいます。

聞こえる両親としては、日常会話も普通に会話できてるし、子供の語彙数も増えてきていると安心してしまいがちなのですが、実際は1500~4000語程度を超えてからは子供の語彙数は全然増えていない!ということになってしまいます。

なので、あるときほかの子と話している場面を見たときや、子供がこれってどういう意味?と聞いてきたりしたときに、「ええ!こんな簡単な言葉も知らないの!?」という風にびっくりすることも多々あります。

難聴児の次の目標は1万語!1万語の言葉を入れるためには

そういったことを防ぐためにも必ず難聴の子がいる家庭では1日でつかう語彙数を1000語からまずは2000語に増やし、本当にいろいろな種類の言葉が日々の会話の中で出てくる工夫が必要になります。

なぜなら、難聴児にとって、一番言葉を習得しやすいのは家族間の会話です。何度聞き返しても聞き返しやすいし、生まれたときからずっと一緒に接しているお父さんお母さんの声や口はわかりやすいし、どうしても家族間のコミュニケーションで習得する言葉が難聴児の言葉の大半を占めます。

なので、かならず語彙を『意識的に』増やした会話をすることを心がけましょう!

次回はどうやって日常会話に「普段使わない語彙」を入れたりしていくかについて書いていこうと思います。
次回はこちら→★