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難聴児のための施設は聾学校だけではない!

公開日2015/12/22最終更新日2017/09/13

■難聴が判明した時

デフサポのユカコです。

やっぱり最初はどこのことばの教室に行かせたらいいのか?聾学校の幼稚部はどこも一緒なの?とかどういったところに行けばいいか…等 どうしてもわからないと思います。どんな施設があるのかさっくり説明していきたいと思います。

難聴=聾学校ではない!

だいたい子供が聞こえない!とわかると、思いつくのは聾学校の幼稚部が多いと思います。しかし今は難聴者は一律で聾学校に行くという流れではなくなっています。人工内耳が普及したことで、一般の普通学校に進学する子も増えていますし、中等度難聴であれば補聴器の補聴と療育センターでのフォローのみで一般の保育園や幼稚園に通う子のほうが多いくらいです。

なので、まず難聴だったから聾学校にいかなきゃいけない!また、聾学校に入れれば大丈夫!といった考えは捨ててください。

聾学校以外にも難聴児の施設はある!

・学校併設の聞こえとことばの教室
こちらは普通の小学校や幼稚園に併設されていることが多く、自分のクラスがあります。一部の時間を発音の授業に充てたり、国語や算数など分かりにくいものはことばの教室で学習したり・・そういったことができます。難聴学級ともいいますね。早ければ幼稚園くらいから通えるところもあるようです。

・病院併設の聞こえとことばの教室
こちらは病院についていることばの教室です。主に0歳から通えるところが多く、補聴器の調整や発音の練習を月に1~4回程度、1時間ほど行うことが多いです。

・社会福祉法人などが運営する「児童発達支援センター」等
こちらは社会福祉法人が運営していることが多く、どこにも併設されていないのですが聞こえとことばを専門的に教えてくれるところです。0歳からだいたい大きくても小学校卒業くらいまでだと思います。こういったことばの教室は、公立校のように決まった時期での先生の異動などがない分ベテランの方がいらっしゃる可能性は高くなります。

 ・個人でやっていることばの教室
聾学校を退職した先生や、言語聴覚士などが個人で言葉を教えているケースもあります。

・療育センター、支援センター
病院や市区から指定される療育センターや支援センターに通いながら一般の保育園、幼稚園に通うこともできます。最近は昔に比べ圧倒的にこちらの療育センターと一般校を併用する方が増えています。そしてそのまま地元の小学校へ進学していくケースが多いです。

どうして聾学校が昔にくらべて人が減り、インテグレーション(難聴の子が聾学校ではなく一般の学校に通うこと)する人が増えているのかというと…

聾学校のベテラン教師が減った!

実は2007年までは、盲学校、聾学校、養護学校は別々の学校の種類とされていました。しかし、2007年から「特別支援学校」のなかに養護学校・聾学校・盲学校が入ることになり、同一の学校として扱うようになりました。

これの何が問題なのかというと、今まではA聾学校→B聾学校と異動していた先生が、今度は盲学校→A聾学校と、まったく畑違いの学校に異動することになります。確かに先生としての経験値は増えるかもしれませんが、聾学校としての経験値はとても少ないことになってしまいます。

もしかしたら見学に行った幼稚部にD盲学校→A聾学校に来たばかりの先生がいるかもしれません。

そうすると盲学校にとっては超ベテランの先生であっても、”難聴”や”聴覚障害”には全く詳しくなく新米の先生レベル…ということがあります。

そうなると、先生が手話を覚える&職場に慣れるのに必死で子供のことまでなかなか手が回らなかったりします。そのうえ、聴覚障害についての経験値も少ないので難聴について親よりも知識が無かったり、上手に教えられないことがあります。

「特別支援学校の免許状」がなくても聾学校で働ける!?

特別支援学校で働くには原則「特別支援学校の免許状」というものが必要になります。

つまりこの”原則”が曲者でかならずしも特別支援学校の免許状がなくても働くことができるんですね。なので、一般の公立校から先生が異動してきます。

そうすると大学で特別支援学校について深く勉強もしておらず、本当にまったくもって難聴のことを知らない先生が異動してくることがあります。そうなると手話どころか、一番最初の難聴についての基礎知識から教えなければならない上に、先生の熱意も全然ないケースが多々あります。

普通の学校では勉強を教えるのがとっても上手な先生であっても難聴に理解があり、難聴の子育てはどういう風にすれば良いのかを把握しているベテランの先生ではないわけです。

聾学校によって教育方針が全然違う!

本当に声を出さず手話だけでの生活がほとんど!という聾学校もあれば、声と手話を併用する聾学校もあります。

その時の先生の考え方が反映されていたり…学校の風潮があったり・・・本当にいろいろと学校によって特色があるようです。そういった学校の特色や、ほかのお母さんたちの雰囲気、考え方…等いろいろなものがありますので実際に近くの聾学校に足を運んでみてください。もちろん聾学校以外にも選択肢はたくさんありますが、まずは聾学校というものを見て肌でどんなところか知っておくのは大事だと思います。

そのうえで聾学校を選ぶのか、普通学校を選ぶのか、療育センターを選ぶのかを決めるのが一番後悔しないとおもいます。子供が長い時間を過ごす場所なのでぜひここは手を抜かないで探してほしいと思います。

最終的には絶対ご両親の直感が正解!

私は絶対そうだと思っています。
ご両親の教育方針、そして子供に将来どんなふうになってほしいのか…そういったことを踏まえてしっかりとご両親の目線でいろいろな学校を見て、先生に質問をしたりしてみてください。

もし、うーん・・・とちょっとでも思うところがあるならやめておいた方がいいと思います。多少遠くても違うところも見に行ってみてください!

本当に探せば探すほどいろんなところがあるので、お子様の年齢、そして通えるかどうか、学校の質を見ながらあなたのお子様にとってベストなところを探してみてください。

子供の一生を決めることになるので、聾学校やことばの教室、そして病院、療育センター、地元の幼稚園、保育園等いろいろな場所での情報を収集して下さい。本当に地域での個人差があります。

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