私が手話よりも口話の割合を増やしてもらってよかったと思う一番の理由。

デフサポのユカコです。こんにちは!

口話と手話はいつの時代も議論になるテーマです。

まず最初に言っておきますが私は手話を否定する気は全くありません

なぜかというと、手話には手話のよさがあります。特に幼少期は親とのコミュニケーションが潤滑に行われることが最優先事項であることを考えると手話をメインの言葉とする考えも大切だと思います。

それでも私が口話中心の生活をお勧めする理由があります。

その前に、手話と口話のメリット・デメリットを私なりにさくっとまとめてみます。

手話のメリット

・間違いなく伝わるのでお互いにストレスフリー
・同時通訳などでも要約筆記よりも早いスピードで理解することが出来る
・遠くにいても見える範囲であれば話すことが出来る

手話のデメリット

・手話を知っている人としか話すことが出来ない
・手話の修得度のレベルに各人ばらつきがある
・社会の中で手話を使う人は圧倒的に少数
・文法(助詞、接続詞など)の習得が不得意になりやすい※
※手話の文法が日本語文法とは異なるため

口話のメリット

・一般社会の大多数の人と話すことが出来る
・どんどん新しい単語や難しい単語等が入りやすい
・一般的に口話をメインに使う人は文法のミスが少ない

口話のデメリット

・聞き間違いが多くなりやすい
・(幼児期に)親とのコミュニケーションにストレスがたまる可能性がある
・筆談等を挟むことで会話にタイムラグが生じることがある
・話せる分、相手から「聞こえない人」といった扱いを受けられないことが多い

結論

この4つのメリット・デメリットをもとに、どうするのが一番いいのか。私の結論としては以下の通りです。

ある程度の年齢になれば、「手話0〜40%、口話100〜60%」くらいのバランスで会話をする!

感覚的には、「口話を重視しつつ、家族間の感覚的なコミュニケーション等は手話を併用してもよい」というくらいのバランスが一番よいと思います。

なぜそこまで口話を重視するかというと、将来のためです。
今は家族や周りの人たちに守られて手厚いサポートを受けている子供はこの先、成長して大人になります。そうしたとき「自立」するのに大切なのは「働く」ことです。

では働くのに何が必要なのか。

難聴児が将来自立して働くことができるために…

普通に「働く」には【口話】【対人スキル】が絶対的に必要となります。

理由としては・・・

・周囲はほとんどが健聴者である。
つまり、健聴者との会話が必須となります。さらに健聴者との人間関係は難聴者間の人間関係とはまた異なってきます。
難聴者は空気が読めなかったり、健聴者が当たり前に身に付いている常識が身に付いていなかったりすることが多く、健聴者とうまくいかないことが多いです。しかし、ちゃんと小さい時から健聴者と接し、コミュニケーション能力を鍛えることで健聴者の感覚を身につけることができます。
健聴者の感覚を知っておくことは、一緒に仕事をするうえで重要になるポイントだと思います。

・就活は割と簡単、でも続かない難聴者が多い
今は障害者枠もありますし、大企業は諸事情から割と障害者採用をしていたりするため、就職活動自体はそこまで困難ではないことが多いです。

しかし問題は入ってから長続きしない事。
周囲になじめず孤立感を感じてしまったり、自分の障害をちゃんと説明ができず相手に理解してもらえなかったり、職場で分からない事をサポートしてもらえなかったり…。健聴者の感覚が分かっていなかったり、うまく助けてもらえるような言い方ができなかったり…。対人スキルさえあれば技能は充分あるからいい人材なのに~!ともったいなく思う人がたくさんいます。

・手厚いサポートは受けられない可能性が高い。
なんて言っているのか分からなければ自分で聞くしかありません。また、労働の対価でお金を得ているためいいかげんな受け答えもできません。
メールや筆談がちゃんとできれば最低限働くことは出来ると思っています。その最低限必要な文法ですら間違えていると、はっきりいって一緒に働こうとは思えません。語彙数が少ないのも社会にでてから、困ります。なので、ことばの土台はしっかり作っておくことが必須といえます。

・そもそも、口話がある程度うまくないと仕事を任せててもらいにくい!
人事をしてきていた経験から言いますが、一般企業では絶対的に口話ができて、健聴者とのコミュニケーションに慣れている人の方が採用されやすい、もしくは仕事をしっかり任せてもらいやすいという現実があります。能力はあっても聞こえないがために単調作業に回されてしまうことほどもったいないことはないと思っています。

自分で起業して大成功をおさめるケースや、親の跡を継ぐケースもあるかもしれませんが、どちらにせよ大多数の人は「健聴者と共に働く」ことが多いでしょう。

人間関係も、社会人になって初めて急にうまく出来るようになるものではありません。

これまでの幼少期から学生時代の経験があるからこそ、対人関係がうまくやっていけるのです。そのことを考えると、なるべく小さいうちから口話をつかって健聴者と話す機会は必要です。

 

よって、私は最初は大変でも、難聴児の可能性を広げるために、できるだけどこかで口話と、正しい文法を取得できるようにサポートしてほしいと考えています。手話中心に育ってきていても、小さいうちに健聴者とたくさん触れ合って一緒に遊ぶ経験があるだけで、過ごしやすさは格段に違うと思います。

もちろん手話での会話も必要な人もいますし大切だと思います。
それでも、将来を見据えた上で可能性を選択できるようにたくさんの手段を与えてあげてください。

最後になりますが手話が悪いとは思いませんし、手話で生きていって、幸せになる人もたくさんいると思います。あくまでも、就職して周囲の人とうまくやっていきながら、いきいきと働くのであれば、最低限の口話は必要かな〜?というふうに考えていると捉えてもらえれば嬉しいです。