難聴の早期発見と支援に伴う1−3−6ルールって?言語聴覚士が徹底解説!

難聴児の早期発見・早期療育の領域では、「1-3-6ルール」という考え方が主流です。皆さんは1−3−6ルールって聞いたことありますか?

1-3-6ルールって?

ざっくりいうとこういう感じです。 生後1か月→すべての新生児が聴覚についてのスクリーニング検査を受けること
生後3か月→精密検査を実施し、聴覚障害の確定診断がなされること
生後6か月→補聴器機等を装用し、療育を始めること
  • STEP.1
    誕生〜生後1ヶ月
    新スクを受ける(産婦人科・新生児科)
  • STEP.2
    生後1〜3ヶ月
    詳細な聴力検査を受ける(耳鼻咽喉科)
  • STEP.3
    生後3〜6ヶ月ヶ月
    療育を開始する(乳幼児教育相談・療育センター)
  • STEP.4
    生後6ヶ月〜1年
    療育の中で補聴器のフィッティング、人工内耳の検討を行う。家族と専門家のチームで協力し合う体制を整える
  • STEP.5
    生後1年〜
    難聴児の支援を継続していく
このルーツはアメリカの1999年の米国小児学会の勧告にあります。
ここでは、すべての新生児に聴覚スクリーニングすることを法制化し、出生から生後6か月までの流れをガイドラインとして示しました。2004年の調査では92%がこれを達成したという報告がされています。

1ー3−6ルールの考え方の根拠は?

この方法の根拠となっているのが、Yoshinaga-Itano, et al.の有名な研究です。
Yoshinaga-Itano, et al.(1998)は、新生児期に聴覚障害が発見され、生後6ヶ月までに補聴器を装用して療育が開始された場合、生後6ヶ月以降にこれらを遅れて開始した聴覚障害児と比べて、障害の重さにかかわらず、3歳での言語能力が有意に良好であったことを報告しました。
この論文を根拠として、アメリカやオーストラリアでは、新生児聴覚スクリーニング検査の実施による聴覚障害の早期発見、補聴器や人工内耳といった補聴支援機器の早期装用および、療育の早期開始が広く普及しています。

日本での状況は?

では、日本での1-3-6ルールの認識と普及はどのようになっているのでしょうか?
まず、厚生労働省が公表している日本における新スクの実施状況は、以下のようです。
・初回検査(新スク):78.9% ・確認検査:95.6% ・再検査:94.7%
・精密検査:91.6%
もちろん、どの時点で発見されたとしても、そのお子さんのもてる力を最大限発揮し、成長を促していく取り組みを行うことは当然です。
それを前提として、より早期に発見することで、その障害の特性を考慮した関わり方や聴覚補償、各機関との連携体制の構築など、お子さんの育ちを支えるのに最適な環境をじっくりと整えていけます。
きこえにくさを早期に発見し、療育を始められることの意味とは、そういった点にもあるのではないかと思います。
1-3-6ルールの達成は、お子さんの可能性をもっともっと引き出していく土台に大きく貢献してくれます。
新スクでわかるってことは、親からするといきなり判明するので、ショックなことでもあるけれど、それだけ早く対応できるメリットが有るってことなんですね。

ユカコ

人のライフステージを考えたとき、すべての人がいつかは、自身の立場を明確にし、自分の考えを主張する機会を得ていくことになると思います。ですが、それを主張していくにも「言語」による思考、特に「内言」の存在は欠かせません。
将来、お子さんが自身のありかをどこに置くことを選ぶとしても、自分らしく、自分が輝ける道を選んでいけるよう、早期に難聴を発見し周囲にある資源を最大限に活用してことばを育んでいくことが大切です。

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