難聴者にとって発音は難しい…!今の人工内耳、補聴器の子たちは発音を獲得するまでに昔ほどの労力がいらない!
公開日2016/06/10最終更新日2020/12/15
発音
さて、今日は難聴者のコミュニケーションについて。
タイトルの通り発音ってどのくらい重要なのか…についてお話したいと思います。
難聴者にとって、ことばを聞くのが難しいことは言わずもがなですが、言葉を話すことも結構難しいことなんです。
※図が右側に歪んでるのは気にしないでください…細かい回転かけるのが面倒だった・・・w
上記の図のとおり、耳が聞こえないと、どういう発音が正解なのかが自分で把握できないため、正しい日本語の発音ができないんですね。その状態が長く続くと、発音で使う口の形や舌を適切に動かすことができなくなります。
その結果、次第に口の周りの筋肉や、舌の筋肉が固くなって、さらに発音ができなくなる…、そして発音が相手に伝わらずさらに発音が嫌になる…
といった無限ループに陥ります。
舌の筋肉が固くなるってあまり聞こえる人には想像がつかないと思うのですが、例えば日本人は普段英語の発音をしないですよね。正しいRとLの舌や口の動きがすんなりすぐにできる人は少ないと思います。
そのように、英語の発音が難しい(LとRの発音で使う舌や口の筋肉を使い慣れていない)というのと同じような感じで、難聴者の場合は「ら」行を発音するときのように舌を丸めたり、「か」行を発音するときのように舌を口の奥で上あごにつけたり…といった動きができなくなる(出来にくい)感じになります。
それを防ぐためにも、舌の筋肉が固まる前の小さいうちから舌や口を動かして言葉を話す訓練をする必要があります!
※とはいえ、固まってしまっても、筋肉なので頑張って練習すればだんだん柔らかくなってくると思います!なので手遅れ…なんてことはありませんのでご安心ください!!
では、無限ループに陥らないためには、難聴者はがんばって練習して完璧な日本語を身に着けないといけないのか?というとそんなことはありません!!
この完璧な日本語の発音というのは、難聴者(特に重度難聴者)にはかなり難しいものがあります。
音が聞こえない、イントネーションもわからない中で、自分の発音が正しいかどうかも自分では分からない…となるとどうしても”完璧さ”を求めるのは難しいのではないかと思います。
なので私個人的には、最終的にどこまで綺麗に話す必要があるのかというと、相手に(考えさせることなく)伝わればOKだと思っています。
こういう風に相手に自分の言いたいことが言えるレベルの発音があればコミュニケーションには問題ないレベルでの発音が修得できていると言えます。
なので、完璧を目指さずとも、相手になんて言っているか分かってもらえる発音ができるように、練習を頑張ってほしいと思います。
とはいえ・・・注意してほしいことが一つあります。
どうしても毎日一緒に過ごしている家族は、かなり発音が悪くてもなんて言っているのかわかるんですね。
耳が慣れるというのかな。ああ、こういいたいんだろうな~と脳が勝手に変換するので、なんて言っているのか、何を言いたいのかだいたいわかると思います。
でも、その発音だと他に行っても通用するわけではありません。とくに普段耳の悪い人と接しない人の場合は、ちょっと発音が悪いだけであまり聞き取ってもらえないこともあります。
なので、家族だからわかるから大丈夫~ではなく、できる限り、わかりにくい発音だったときは、伝わる発音が言えるまで教えてあげてほしいと思います。
家族とか身近な人に発音を注意される方が、他の人に伝わらないでショックを受けるよりありがたいと思います。(私はそういう風に思っていました。)
例えば、雨と飴のイントネーションとかが違っていたら家族に指摘してもらわないと本人はいつまでたっても知らないままだし、周りの友人たちもあえて注意してこないかもしれません。
そういう指摘ができる家族にこそ、バンバン発音の間違いであったり、イントネーションの間違いを注意してもらいたいと思います。
難聴者にとって”発音”することは難しいことかもしれませんが幼少期のうちから頑張って舌を柔らかくして、家族にいっぱい間違いを教えてもらって、
相手にスムーズに伝わる発音ができるようになってほしいと思います。
そして次回はどんな発音の練習方法があるのか書いていきたいと思います!^^