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【幼稚園時代②】N幼稚園はフリーダムだった

公開日2017/09/11最終更新日2017/09/11

幼稚園時代のユカコ

【幼稚園時代②】N幼稚園はフリーダムだった

前回のお話はこちら。
難聴児通級施設に通っていた時

そして今日はN幼稚園のお話し!
年少さんの時に通っていた幼稚園です。

・両親がN幼稚園に通わせた一番の理由

実は家から近いS幼稚園は年中からのスタートだったんです。年中、年長の2年体制。

いきなり4歳から聞こえる子の輪に入る前に、ちょっとずつ聞こえる子供と触れ合わせておこう!

と考えた両親は私のことを、N幼稚園という幼稚園に通わせることにしました。

N幼稚園は週に3回だったので、難聴児通級施設にも並行して通えるということと、すごくのびのびしている幼稚園ということが決め手だったようです。ここはすごく面白い幼稚園だったんです。今、我が子にも通わせたいと思うくらい!良い幼稚園だったな~と思います。

もちろん普通の聞こえる子の幼稚園なので、ことば面での教育は全くありません。お友達といろいろ話したり遊んだりするなかで聞こえることのコミュニケーションをみがいていきました。

聞こえのことで受け入れ可能か事前に確認

こちらは割とすんなりOKだったようです。我が家は比較的ゆるくてのんびりした幼稚園を選ぶ傾向にあったのでここはあまり断られることはなかったようです。しかし、もしこれがアカデミック系の幼稚園だったら全然違ったのではないでしょうか。こちらは実際どうなんでしょうね?

最近いろいろな方からお話を伺っているのですが、幼稚園でも難聴児の場合は受け入れNGと遠回しに言われたり、先生の理解が得ることができなかったりと結構苦戦する人もいらっしゃるようです。この現状は絶対打破したい!
その反面軽く「イイですよ~!」と受け入れてくれるところもあるそうで、本当に一口に幼稚園と言ってもバラバラです。

私としては幼稚園に聞こえない子がいる方が、多様性が増えてすごくいいのになあ~!と思っています。英語が第一言語でもいいし、見た目が違ってもいいし、発達障害でもいいし、聴覚障害でもいいし。確かに先生は大変かもですが、偏見のない小さいうちからいろんな人と触れ合っていてもいいんじゃないかな~と思うんだよねえ。

N幼稚園は絵本を重視!

N幼稚園は本当に絵本を大切にしていました。とにかく絵本、絵本。卒園するときは絵本のリストをもらったくらい、こちらの園は「絵本」重視でした。ここで楽しく絵本を読んでもらったのも私の本好きに拍車をかけたと思っています。

頭にバンドを巻いてるのが私。先生が本をよんでくれています。

先生の口を見るのに集中しているので口はぽかんと半開き。笑
だいたい絵本を読むときは口を読んで、絵を見てとすごく集中していました。

こういう風に親からではなくいろいろな人に絵本を読んでもらったことも私にとっては口話ができるようになった大きなポイントでした。

絵本の場合、絵を見れば口話が完璧でなくてもなんとなく言っていることがわかるときもあるし、全く分からなくてもなんとなくストーリーはわかるので、そこからだんだんいろいろな人の口をしっかり見るようになりました。

ガラクタをつかっていろいろな物を作る!

加えて、N幼稚園は段ボールや卵のパック、牛乳のパック・・・と言ったいろいろな物を集めて、それで子供たちに自由に工作をさせていたそうなんです。子供に取ってこういうガラクタって宝物ですよね!

目をキラキラさせて楽しんでいたようです。そして、そのおかげで今でも物作りが大好きに!本当に自由遊びが殆どの園で、今もし地元に住んでいたら我が子にもいかせたかった!と思うくらいです。

聞こえなくてもこういったことは聞こえが関係ないので、他の子と同じようにすることができます。
工作やお絵かき、スポーツなど、聞こえに関係しないものができる!という成功体験はすごくよかったんですね。

例えばコミュニケーションが多少苦手でも、同じようにモノづくりをしてほめてもらったり、お絵かきをほめてもらったり…こういう風に自己肯定をしてもらうことで自分に自信を持てると、いろいろなことにチャレンジしよう!というチャレンジ精神が身につくのかなあ?とも思っています。

聞こえだけではない分野でお友達といろいろ競い合うというのもすごくいいのかな~と今思っています。

こちらの写真は補聴器が見えますね~!確か、クリスマスパーティの時の写真かなあ?

子供らしく楽しく過ごすことができた幼稚園でした。

聞こえる子と幼少期から当たり前のように触れ合えたのは良かった!

両親の目論見通り、聞こえるお友達がたくさんできた私は、聞こえないことを気にすることなく、当たり前のようにいろいろなことに、参加することができました。もちろんわからないことはたくさんありましたが、先生のフォローと、自分なりに周囲を見てついていっていました。

どうしても、聞こえる子の中に入るとコミュニケーションは難しくなります。でも、3歳4歳ごろは割とボディランゲージでコミュニケーションをとっていても違和感はないですし、簡単な単語だけでもある程度お互いの言いたいことが伝わることも多かったので、「聞こえない」事を意識しすぎずに過ごせました。

大きくなってくるにつれて経験が積み重なってくるとその経験を基にコミュニケーションスキルを磨くことはできるようになっていきます。
その第一歩のコミュニケーションスキルがここだったと、言えます。

そして、ここで過ごした経験から、ユカコは、きっと聞こえる子の中にいてもなんとかなるかも!

と感じた親は予定通りS幼稚園に入れよう、きっと大丈夫!と思ったそうです。
私自身も小さい時から当たり前のように聞こえる子と一緒に過ごしてきたことでそんなに聞こえる子の輪に入るのが怖いなどと思うことはありませんでした。

なので、親にとっても私にとっても、様子見のために通っていた幼稚園という感じです。笑

こういった意味でも小さい時の環境は大事かな~と思います。

もちろん手話・口話のどちらが向いているかは人によって違う!

これは当然です。
両親もたまたま私が口話で大丈夫そうだったから普通にそのまま地域の学校に入れましたが、もし口話が全くできず誰ともコミュニケーションをうまく取れない…と言った状況であれば手話に切り替えて聾学校という選択をとったと思うわ~と言っていました。

たまたま私が口話が得意で、性格的にも物おじしないという点があったということも踏まえたうえで、お互い偏見がなく、柔軟に対応できる幼少期から聞こえる子に混ぜてもらえたのは私にとってすごくBESTな選択肢だったなあ~と大きくなった今でも常々実感しています。

N幼稚園での夏祭りです、一番右が私、やっぱりこのころからお調子者です。笑

小さいうちの環境は子供の今後の人生を左右する!

まあこれは、別に聞こえる、聞こえない関わらずにどんな子でも当てはまると思ってるんだけど。

ハッキリ言って。

聞こえない子供はの子育ては確かに大変なんです。
特に幼少期、3歳から7歳くらいまでは。
ことばも教えなきゃいけないし
やらなきゃいけないことは多い。

 

でも、どんな選択をするかというのは聞こえる子であってもすごく大きな影響を与えると思います。親にとっても子供にとっても、試行錯誤しながらですよね。子供の性格にもよるし、兄弟であってもあえて違う選択をした方がうまくいくときもあるし・・。

なので、もし選択した後に、これはちがうな、ちょっと合わないな…と思ったときの辞める勇気、変える勇気!を持っておいてほしいなと思います。

辞めるときのほうが勇気がいるんですよね~!笑

そしてそんなこんなでN幼稚園で鍛えられた私はS幼稚園に年中から通うことになるんです。
次回はS幼稚園のお話しです!S幼稚園から本格的に幼稚園生活が始まります。

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