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【幼稚園時代④】健聴児と共に過ごしたS幼稚園

公開日2017/10/03最終更新日2017/10/03

幼稚園時代のユカコ

【幼稚園時代④】健聴児と共に過ごしたS幼稚園

これまでと続いて今日は4話目~。
一般のS幼稚園に通っていた時のお話です!

先生にはすごく恵まれた!

そうそう、前に書いた先生はこのS幼稚園の話でした!
→S幼稚園の先生がすごいよかった!という話

↓真ん中が例の先生です!なにかゲームをしているときですね!^^

こんな風にすごくいい先生に恵まれたおかげで難聴のことを自然と知ってもらうことができました。
やっぱり園がどこまで受け入れてくれるか、そして先生に恵まれるかどうかで難聴児の過ごしやすさが圧倒的に違ってくるなあ~と思います。

発音が下手すぎて、ゆかちゃん話し方がめっちゃ変やねん!と色々な子に言われる。

やっぱりこのときは特に発音もわかりにくいですし、言いたいことが伝わらないこともしょっちゅうありました。
そして子供は素直なので、なんでユカコは発音が変なん!??と不思議に思い迎えに来た私の母に色々聞いていたようです。

なんでユカちゃんはディズニーランドでえうにーあんっどうみたいにいうてんのん?

ユカちゃんってさ、ガイコクジンやろ!だってな、話し方が変やねん!

そういう風にいろいろ聞かれることが多く、母はそのたびに

「ユカコはねえ、耳が聞こえてないねん。だからみんなみたいに上手におはなしすることができへんねんよ~だけど口をみせればお話ができるときもあるし、発音もたまにわかるときがあるとおもうからそんな時はお話ししてあげてね♪」

とサラッと耳のことをいろいろ説明していたようです。

「ふーん」と言って終わる子もいれば、「なんでお耳が聞こえないの?」とどんどん聞いてくる子もいました。もちろんどういった質問にも母はちゃんと答えたそうです。

↓これは年長さんの時の写真ですね!黄色い帽子がなつかしいです。笑

子供は慣れるのが早い!

でも、こんなに壊滅的に発音がわかりにくかったにもかかわらず、子供は毎日一緒に過ごしているのと吸収力が半端ないのでいつのまにかほとんどのみんなが

私が何を言っているのかアタリマエのようにわかっていました。

そして逆に迎えに来てくれた友達のおかあさんとかのほうが私の発音がわからず「え?なんて??」と聞き返していたくらい。そしてそれをきいた友達が「今日園庭でお団子作ったんだよーっていうてるやん!」とサラッと通訳していたり。笑

やっぱりずっと同じ時間を過ごしているとみんな自然と私のことがわかるようになってくるんだなあ~!と今でもはっきり思い出せる出来事です。発音に耳が慣れてくるようになるんですね。

幼稚園のころのお友達は話が分かりやすい子とわかりにくい子がはっきりしていた

とはいえ、まだ4歳5歳6歳の子供たち。

私の言うことがはっきりわかるようになっても、私にわかりやすくしゃべってくれるかどうかというとまた別で、皆がみんなわかりやすくしゃべってくれるわけではなかったんですよね~?

例えば、「みんなで一輪車やろう~!あそこのバーのところに一輪車もっていこ!」と言われたとき、私は何をやるのかわかっていなくて、近くにいたときに「今なんて?」と聞き返します。

そんなときのお友達の答えがバラバラなんですね!

①まとめてわかりやすくはっきり話してくれる子
「いまから一輪車やんねんて~あのバーのところいこ!」と顔を見て話してくれる子等は本当にわかりやすいです。わりとリーダータイプだったり、はっきりしている女の子などが多いです。

②説明はしてくれるものの、顔を見てくれない子
「一輪車やるねんてー!行こう!」と説明はしてくれるものの、顔を見るということを忘れており普通にサラッと話してくれる子もたくさんいます。こういった子の場合は自分で回り込んで顔をみたり、その子の行動を観察していました。まだ、口を見せてほしい!等とは自分で説明できる力はありませんでした。

③顔を見て説明はしてくれるものの、何を言いたいのかわからない子
「えっとね、えっとね、あやちゃんがねお話ししててみんなにねえっとね、一輪車やろうって!…!」と私に話そうという意欲はあるものの、幼稚園児なので説明が支離滅裂で結局何が言いたかったのかわからず「???」ということもよくありました。

④説明すらしない子
自分の行動に夢中で、聞き返しても自分に聞かれたと思わずスルーしてしまう子もいました。

本当にいろーーーんな子がいました!笑

聞こえなくても聞こえないなりに自然と工夫したり、ついていくようになる!

逆に4歳とかからこんな風にいろいろな子にもまれていたおかげで、私はすっごく人間観察をするようになりました!

A君には聞き返してもわかりづらいから、Bちゃんに聞こーっと♪と聞く相手を選んだり先生に「今から何やるの?」と確実に答えてくれる相手を見極めたりするようになりました。

また、役割がわかりづらいごっこ遊びなどでは、「Cちゃんはお母さん役ね!で、Dくんはお父さん役!ユカコはお姉さん役やる!」と基本的に自分で色々決めて、言うようにしたりもしていたようです。
それ以外にも、振られた役がわからなかったら「私、赤ちゃん役??」と聞いたりもしていました。

また、周りが何をしているのかを見て、その真似をするのも上手になりました。
例えばいまから「お絵かき」をしよう!となったらお絵かきの準備をしますよね?そういった準備を見て、(ああ、お絵かきをするんだな~)と把握するんです。

聞こえないからこそ、基本的に周りをよく見るようになりました。

そしてササっとついていくのが上手になるので聞こえないことを先生たちがつい忘れてフォローが薄くなってしまうこともよくあったようです。これは聴覚障害のお子さんにはあるある!だとおもいます。
先生の言うことはあんまりわかっていないけど、周りに合わせるのは上手!みたいな感じですね。

(ここは別途フォローが必要なのですがこの話はまた今度!^^)

↓右から2番目が私です!これは年中さんの運動会のとき。(漂う昭和感)

聞こえる子の中に入れて、いじめられたりぽつんと1人になっちゃったらどうしよう…

よくカウンセリングなどで質問されるんです、このお話。

「聞こえないと疎外感を感じて幼稚園生活楽しめない事多くないですか?とか、ひとりぼっちにならないか心配です…。」等。

あくまでも私の場合&デフサポで今私が見てきている子供たちに限っては、聞こえる子と交じっての幼稚園生活も普通に楽しく過ごせています!私の考えですが、

3歳から6歳くらいの子供たちは「聞こえない事」に対する偏見がない!

ように見受けられます。逆に偏見があったり、心配するのは大人で、園児くらいのときはそんなに周りが言うほど難聴児本人も、周囲もお互い気にしていないように思います。

聞こえないお友達がいてもちゃんと説明すれば分かってもらえますし、
「Fくんは耳が聞こえないねん。だからわかりにくい時があるんだよ~」とか「Fくんはちょっと聞くのが苦手なんでしょ」と言う感じで軽くさらっと受け入れています。

私自身もそうでしたし、今、我が子も病気はありますが保育園に通っています。
でも保育園のお友達たちはなにかしらすごく「特別!」に感じているわけではなく「この子はこうなんだよね。」とありのまま受け入れてくれています。

それを見ていると、子供たちのありのまま素直に受け入れる力を大人のほうが見習わないといけないなあと思わされます!笑

もちろん聞こえないが故のトラブルはあります。

たとえば、貸して!といったのにその声が聞こえずに喧嘩してしまったり、言った言わないでもめたり、言いたいことがうまく言えずに手が出てしまったり・・・。

そういったトラブルはもちろんどんなお子さんにもあります。
私自身もありました。

お友達が「ごめんなさい」って言ってくれていたのにそれが聞こえていなかったため、「ごめんなさいも言わへん!もう知らへん!!」みたいにずーっと怒っていたり。そして周りに「謝ってるのに許してあげないユカちゃんは意地悪だ!」と言われたこともあったっけなあ~。やっぱりそういう経験はたくさんあります。笑
でもそのあたりのトラブルは経験を積み重ねることと、ことばの力の土台を作っていくことで比較的マシになります。そして、小さいうちにこそこういった経験も大事だなあ~と思っています。

そしてもうひとつ、聞こえる子供たちにもまれてことばやコミュニケーションスキルがすごく上達しました!笑

こちらはデフサポに着てくださっているお子さんたちからも結構よく聞くので、やっぱりかわいい子には旅をさせよ。ということでいろいろぽぽーんと放り出してしまうのもアリかも。(※フォローは必要ですよ!)


実は幼稚園や保育園で出張授業をしていくうちに本当に実感していることがあるんです。

「子供」だからといって聞こえについて適当に説明したりしていませんか?5歳くらいのの園児でもちゃんと耳のことを説明すれば結構わかってもらえます!!

・聞こえについての説明
・人工内耳や補聴器の仕組み
・聞こえる子の耳はどんな感じなのか
・どういうところで困るのか
・どうしてあげたらいいのか
・これからのみんなの話

(実はこういった話を絵本にしたいと思ってるんだけど、欲しいって思ってくれる人いるかしら…?)

等を、年中さんや年長さんのクラスでわかりやすくお話したりするのですが、意外にしっかりとわかってくれます!本当にびっくりするくらい!✨

なので、できれば小さい子でもちゃんと聞こえについて説明してあげると理解してくれるのでなるべく幼稚園や保育園でそういった話をする時間が少しだけでもとれるといいなあ~と思います。聞こえない聞こえる関わらず子供が「なんで?」「なんで?」と聞いてくれるうちにどんどん難聴のことを教えてあげるのが一番だと考えています。

※デフサポではこういった聞こえについてのお話を出張授業で説明しています。
基本的に全国どこでも対応しておりますのでうちの園や学校でもしてほしい~!という場合は金額や日程などお気軽にご相談ください^^→お問い合わせはこちら

お子様のことばの力に合わせたオーダーメイド教材を配信中。
ホームトレーニングで効率的にことばの力を育みましょう。

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