[みえる電話]提案者 NTTドコモ 青木さん対談1/2
公開日2019/09/11最終更新日2019/09/10
ろう・難聴当事者との対談
デフサポのユカコです。
今日はNTTドコモの青木 典子さんにお話をお伺いしました!
青木さんはみえる電話を提案された方で、ご自身も難聴で補聴器をつけていらっしゃる方です!
青木さんの難聴がわかったのはいつ?
ヘッドフォンをつけても何も聞こえなくて。
親と先生が驚いてたのを何となく覚えてます。それまでも、難聴のような気配はあったそうですが、その度に私が大きな声で歌を歌ったりしてたので、ちがうんちゃう?となっていたようです。
青木さん
ユカコ
青木さんの自覚はあんまりなかったんですか?
青木さん
ユカコ
青木さんの聴力はどれくらいなの?
補聴器をつけると、条件がそろえば、ほぼ聞き返さずに会話できることもあります。
青木さん
例えばどんなふうにすれば聞きやすいのか?
逆に、口をあまりひらかない話し方の人や・高齢の方の話し方は、他の条件がそろっても聞きづらいですね・・・。
青木さん
ユカコ
どんな幼少期をすごしてきたのか?
口の中に腫れがあるんですけど、ソファで跳び跳ねすぎて落下して顎をぶつけたときにできたコブだったそうです。笑
青木さん
ユカコ
青木さん
ユカコ
青木さん
ユカコ
ことばはどうやって獲得したのか?
ユカコ
でも、言葉を話し始めるのが遅かったり、声が低めで特徴的だったそうです。また、ある時母親が早口で捲し立てるように怒ったときに不思議そうな感じでぼーっとしていたそうなんですね。
青木さん
ユカコ
母が何度か繰り返し言ったらすごい低い声で悔しそうに「わかった」と言って、その話し方がかわいくなくて更に怒ってしまったことがあったと。あのときはごめんねとたまに謝られます。笑
青木さん
学校生活で発音をからかわれることもあった…!
青木さん
ユカコ
私の親とか先生は「発音がみんなと一緒じゃないとだめだ!」みたいなことは一切言わなかったので、発音が変なこと自体は悪いことじゃないって自分でもわかってたんだと思います。
青木さん
ユカコ
学校生活で大変だな〜って思ったことは?
複数の会話についていけなくて、孤立して寂しくて、いきなり泣き出しちゃったりとかしました。
青木さん
ユカコ
小学校の時に40dB、中学でも70dBくらいだと、聴力がそこまで重くないので、比較的すんなり行けそうだな〜という感じなんですが、、、それでもやっぱり、会話って難しかったんですね…。
何でかわからないけど、複数になったとたん、人の話が聞き取れなくなるんです。
自分なりの仮説としては、
①口が見えない、
②会話のスピードが速い、
③どこかで聞こえなくなったらそれ以降ついていけない
からだと思っています。
青木さん
ユカコ
ただ一番大きいのは、
「人は無意識に相手に合わせたしゃべり方をしている」ことだと思います。
難聴の私には無意識にゆっくりぎみで話していても、それが複数人になると、他の人に向かって話しているからその意識がなくなってしまうんでしょうね。
青木さん
ユカコ
やっぱり聞こえないっていうのは、いくら話せていても聞こえる人たちのように聞こえるわけではないですし、そのあたり、難しいですよね。
青木さん
ユカコ
友達がいないと、学校にいきたいと思えないので、それがしんどかったです。勉強は特に困ってなかったので、人間関係が一番でしたね。。
青木さん
ユカコ
確かに学校に行きたいって思えないのは大変。。。!それでもがんばられてたんですね!
授業はどうでしたか?
授業はどうしていたのか?
体育の指示が聞こえなくて、タイムを聞かないといけなかったのに聞けてなかったりとか。
青木さん
ユカコ
聞こえないから、聞き逃したとしてもそのことがわからない。自分だけ知らない情報があるっていうのに気が付かなかったんですよね。その発想がないというか。
中途半端に聞こえるからこそ、勘違いや聞き間違いもしてしまったんだと思います。
さすがに体育の時は原因がはっきりしてるので、次から改善できました。
青木さん
ユカコ
聞こえって本当に人それぞれなのでいろいろな人の聞こえがわかるのは面白いなって思います。
聞こえないことをオープンにしたくなかった。
青木さん
ユカコ
何か困ったことがあっても、先生に言おうと思うとその瞬間40人のクラスメート全員が私に注目するんですよ。自分は他のみんなとは違う存在なんだって印象付けてしまう、それがめちゃくちゃ嫌でしたね。
青木さん
ユカコ
聞こえないことで注目されるのが嫌だったのはわかります!私は難聴自体はオープンにしていったほうが楽じゃーん♪という考えですがそれでもやっぱりなにかあって注目されるのは嫌なこともありました。どうしても注目されますもんね。
就活中に苦労したことは?
青木さん
ユカコ
青木さん
ユカコ
青木さん
仕事で工夫していることは?(聞こえないことで)
・障害とサポートしてほしいことを明確に周囲に伝える
・できないこととできることを明確に周囲に伝える
・会議中の疑問はできるだけ会議の最中に解決。自分も含めた全員で合意するのを基本スタンスとする
ですね。
青木さん
ユカコ
ただ毎回そう、うまくいくとは限らないのでいろいろ臨機応変に対応できる力っていうのが青木さんのすごいところなのかなって思います。
会議はどういうふうに対応していますか?
また、できるだけ会議中に意識合わせをするようにしています。
ポイントポイントで「今の内容ちょっとわからなかったんですが、~~~~ということで合ってますか?」と確認したり。
青木さん
ユカコ
でもそれでもちゃんと会議に出ようって思ってた理由ってあるんですか?
それに、もし自分が良いアイデアを思いついたり、意見があったとしても、会議後だとそれをみんなに共有する場がないんですよ。
そもそも、会議ってみんなの意見を共有する場なので、難聴のあるなしに関係なく、出席者みんなが発信して理解をする必要がある。会議が終わってから、議事録見てわからないことだけ聞く、っていうのは、もはや会議に出席したことになっていないと思います。。。
青木さん
ユカコ
会議に出席して発言権を得て初めて参加した意義があるというか。
ちなみに失敗談ってあるんですか?
もちろん耳が悪いのは伝えているし、同僚も認識してるんですが、「難聴」=「電話できない」と結びつかなかったんですよ。知らないから。
できることできないことを明確に伝えることも大事だなって思いました。
青木さん
ユカコ
それを言わないでいたら、周りから「さぼってる」と思われて人間関係が悪化して仕事に支障もきたすし。本来発揮できたはずの力が発揮できない可能性もありますよね。
青木さん
ユカコ
でも本当そうやってしっかり伝えていくと理解者は絶対増えてきますよね〜!
青木さん
ユカコ
青木さん
ユカコ
(2児の母としては本当そういうのは障害関係なく持ちつ持たれつなのかなって感じます。)
そんな特別なスキルじゃなくていいんです。
やってもらうばかりではなくて自分も気を配って周りのために何かする習慣をつけることで、対等の関係になれるんじゃないかと思いますし、自分のスキルにもなります。そしたらみんながハッピーじゃないですか。
青木さん
ユカコ
私も見習わないといけないことが沢山です!
今日はありがとうございました!
そして次回は青木さんといえばドコモでみえる電話をやっている人!ということでみえる電話のお話をしていきたいと思います。
(公開をお楽しみに!♪)