[みえる電話]提案者 NTTドコモ 青木さん対談1/2

デフサポのユカコです。
今日はNTTドコモの青木 典子さんにお話をお伺いしました!
青木さんはみえる電話を提案された方で、ご自身も難聴で補聴器をつけていらっしゃる方です!

青木さんの難聴がわかったのはいつ?

小学校の入学検診でした。
ヘッドフォンをつけても何も聞こえなくて。

親と先生が驚いてたのを何となく覚えてます。それまでも、難聴のような気配はあったそうですが、その度に私が大きな声で歌を歌ったりしてたので、ちがうんちゃう?となっていたようです。

青木さん

ユカコ

なるほど!でも歌を歌ったりしているとなかなかわからないですよね。
青木さんの自覚はあんまりなかったんですか?
私は、人の言葉がはっきり聞こえなかったり、ピアノの右端の方(高い音)が聞こえないというのは気がついていたけど、それはみんなも同じで、聞こえないのが当たり前なんだと思ってました。

青木さん

ユカコ

確かに、先天性だと、みんなも同じような聞こえなんだろうな〜っておもいますよね。

青木さんの聴力はどれくらいなの?

発覚時の6歳では40dBくらい、中学1年生で70dB、20歳で80dBになりました。補聴器をはずすと、ほぼ無音になります。裸耳で電車の発車音なら聞こえるくらい。
補聴器をつけると、条件がそろえば、ほぼ聞き返さずに会話できることもあります。

青木さん

例えばどんなふうにすれば聞きやすいのか?

静かな環境下で、相手の口がよく見えて、普通の声の音量でゆっくりめに話してもらうことですね。表情もつけばよりわかりやすいです。
逆に、口をあまりひらかない話し方の人や・高齢の方の話し方は、他の条件がそろっても聞きづらいですね・・・。

青木さん

ユカコ

わかります、やっぱりモゴモゴ話されるとわかりにくいですよね!

どんな幼少期をすごしてきたのか?

絵を描くのと走るのが好きで、元気に跳び跳ねていたそうです。
口の中に腫れがあるんですけど、ソファで跳び跳ねすぎて落下して顎をぶつけたときにできたコブだったそうです。笑

青木さん

ユカコ

ええ!笑 超やんちゃじゃないですか!www
小学校入ったらおとなしくなったんですけどね!笑

青木さん

ユカコ

やっぱり周りとの違いとか、自分だけ聞こえていないとかそういうこともハッキリわかってきますもんね。
小・中・高と基本おとなしくて、地味キャラでした。小学校のときは作文と絵を描くのが得意でしたけど、とにかく引っ込み思案で恥ずかしがりでした。

青木さん

ユカコ

へえ!今そんなふうに見えないのでびっくりです。

ことばはどうやって獲得したのか?

ユカコ

青木さんはことばをどんなふうに獲得してきたんでしょうか?
特に訓練とかなく、自然体の生活のなかで習得しました。私以外の家族は全員聞こえる人です。私の場合、小学校入学検診まで難聴発覚しませんでしたからね。

でも、言葉を話し始めるのが遅かったり、声が低めで特徴的だったそうです。また、ある時母親が早口で捲し立てるように怒ったときに不思議そうな感じでぼーっとしていたそうなんですね。

青木さん

ユカコ

お母さんが、早口だったから何を言ったのかわかっていなかったってことですよね。
そうなんです。
母が何度か繰り返し言ったらすごい低い声で悔しそうに「わかった」と言って、その話し方がかわいくなくて更に怒ってしまったことがあったと。あのときはごめんねとたまに謝られます。笑

青木さん

学校生活で発音をからかわれることもあった…!

でも小学校に入ると、発音の違いが出てきて。クラスメイトや下級生にからかわれたり、声真似をされたりしました。それでも親は発声訓練をさせようとかは思わなかったみたいですね。

青木さん

ユカコ

お友達にからかわれたときって直したい!とか悔しい!とか思ったりしたんですか?
うーん、あまりなかったかも。直接そういうの言ってくるのって一部の・・・ちょっと意地悪な子とかいじめっ子だけ。

私の親とか先生は「発音がみんなと一緒じゃないとだめだ!」みたいなことは一切言わなかったので、発音が変なこと自体は悪いことじゃないって自分でもわかってたんだと思います。

青木さん

ユカコ

へえ!周囲の大人に恵まれてますね!

学校生活で大変だな〜って思ったことは?

友達を作るのが大変でした。
複数の会話についていけなくて、孤立して寂しくて、いきなり泣き出しちゃったりとかしました。

青木さん

ユカコ

そうだったんですね。
小学校の時に40dB、中学でも70dBくらいだと、聴力がそこまで重くないので、比較的すんなり行けそうだな〜という感じなんですが、、、それでもやっぱり、会話って難しかったんですね…。
そうなんです、
何でかわからないけど、複数になったとたん、人の話が聞き取れなくなるんです。

自分なりの仮説としては、
①口が見えない、
②会話のスピードが速い、
③どこかで聞こえなくなったらそれ以降ついていけない
からだと思っています。

青木さん

ユカコ

たしかに。どうしても複数だと会話のテンポみたいなのがありますもんね。
誰が話すかわからないし、例えば右の人が話し出して、その人の方を向いたら左の人が話し出して・・・ってなると、全然口が見れないし。
ただ一番大きいのは、
「人は無意識に相手に合わせたしゃべり方をしている」ことだと思います。
難聴の私には無意識にゆっくりぎみで話していても、それが複数人になると、他の人に向かって話しているからその意識がなくなってしまうんでしょうね。

青木さん

ユカコ

なるほど。そういうのも確かにあるかもしれないですね。
やっぱり聞こえないっていうのは、いくら話せていても聞こえる人たちのように聞こえるわけではないですし、そのあたり、難しいですよね。
あと、聞こえていたら、周りで自分に興味のある話とか自分が詳しい話題が起こったらそれをきっかけに輪に入れるじゃないですか。

青木さん

ユカコ

それ、ほんとわかります〜!あれ、難聴者には無理ですよね!
会話に入っていけないから、友達と呼べる人が数えるほどしかいなくて、高学年になるとグループでの行動になったんですけど、私は仲良い子とクラスが離れたので結構孤立してましたね。。

友達がいないと、学校にいきたいと思えないので、それがしんどかったです。勉強は特に困ってなかったので、人間関係が一番でしたね。。

青木さん

ユカコ

人間関係って本当に学校生活の大部分を占めてますもんね。
確かに学校に行きたいって思えないのは大変。。。!それでもがんばられてたんですね!
授業はどうでしたか?

授業はどうしていたのか?

授業だと理科の実験や技術家庭科、体育など、口頭で進行するものがついていけてなかったな、って大人になってから気づきました。
体育の指示が聞こえなくて、タイムを聞かないといけなかったのに聞けてなかったりとか。

青木さん

ユカコ

え!!その当時は気づいてなかったんですか??笑
そうなんですよ。

聞こえないから、聞き逃したとしてもそのことがわからない。自分だけ知らない情報があるっていうのに気が付かなかったんですよね。その発想がないというか。
中途半端に聞こえるからこそ、勘違いや聞き間違いもしてしまったんだと思います。
さすがに体育の時は原因がはっきりしてるので、次から改善できました。

青木さん

ユカコ

でもいろいろ性格が出ていて面白いですね。私ともまた全然ちがうなあ〜って。
聞こえって本当に人それぞれなのでいろいろな人の聞こえがわかるのは面白いなって思います。

聞こえないことをオープンにしたくなかった。

聞こえないことを周囲に印象づけたくなくて、教えて下さいって言えなかったことによる苦労も多かったですね。

青木さん

ユカコ

へえ、聞こえないことをあんまりオープンにしていなかったんですか?
小学校に入学した時にオープンにしたのですが、結果、からかわれることが多かったのでコンプレックスになってしまったんです。。

何か困ったことがあっても、先生に言おうと思うとその瞬間40人のクラスメート全員が私に注目するんですよ。自分は他のみんなとは違う存在なんだって印象付けてしまう、それがめちゃくちゃ嫌でしたね。

青木さん

ユカコ

そんな経験があったんですね。

聞こえないことで注目されるのが嫌だったのはわかります!私は難聴自体はオープンにしていったほうが楽じゃーん♪という考えですがそれでもやっぱりなにかあって注目されるのは嫌なこともありました。どうしても注目されますもんね。

就活中に苦労したことは?

グループディスカッションとかグループワークですね。就職に不利になるだろうと思って、一般枠でエントリーした時は障がいを隠していたんです。

青木さん

ユカコ

えええ!聞こえないことを隠してたんですか!!
でもやっぱりごまかしきれるものではなくて、ことごとく落ちました。

青木さん

ユカコ

ですよね〜バレますよね!
障がい者枠に切り替えてからはすごく楽になりましたね。働いてからの環境も確認することができましたし。というかそれが必要だったなって思います。いい経験でした。

青木さん

仕事で工夫していることは?(聞こえないことで)

いくつかあるのですが、
・障害とサポートしてほしいことを明確に周囲に伝える
・できないこととできることを明確に周囲に伝える
・会議中の疑問はできるだけ会議の最中に解決。自分も含めた全員で合意するのを基本スタンスとする
ですね。

青木さん

ユカコ

本当に大事な基本ですね。すごくよくわかります!
ただ毎回そう、うまくいくとは限らないのでいろいろ臨機応変に対応できる力っていうのが青木さんのすごいところなのかなって思います。

会議はどういうふうに対応していますか?

最近は音声認識アプリを利用して、それを使って話してもらっています。誤変換もあるし、議論が白熱してうっかり使うのを忘れられることもよくあります。笑

また、できるだけ会議中に意識合わせをするようにしています。
ポイントポイントで「今の内容ちょっとわからなかったんですが、~~~~ということで合ってますか?」と確認したり。

青木さん

ユカコ

会議に出るのがめんどくさくなることって多いですよね。
でもそれでもちゃんと会議に出ようって思ってた理由ってあるんですか?
主体的に仕事をするためですね。発言をせず、決まったことだけやっていると、毎日が受け身になってしまう。
それに、もし自分が良いアイデアを思いついたり、意見があったとしても、会議後だとそれをみんなに共有する場がないんですよ。
そもそも、会議ってみんなの意見を共有する場なので、難聴のあるなしに関係なく、出席者みんなが発信して理解をする必要がある。会議が終わってから、議事録見てわからないことだけ聞く、っていうのは、もはや会議に出席したことになっていないと思います。。。

青木さん

ユカコ

そうですよね。本当にそれはよくわかります!
会議に出席して発言権を得て初めて参加した意義があるというか。
ちなみに失敗談ってあるんですか?
新入社員の時に、電話が無理だから外線をとらないでいたら、同僚から「あの子電話とらないんですけど」って上司へ言われたことがあったんです。

もちろん耳が悪いのは伝えているし、同僚も認識してるんですが、「難聴」=「電話できない」と結びつかなかったんですよ。知らないから。
できることできないことを明確に伝えることも大事だなって思いました。

青木さん

ユカコ

そうなんですよね、なかなか難聴のことって知られているようで知られていないので自分の口でしっかり伝えていく必要がありますよね。
会議も難しいって言ったら、「(一対一だと問題なく話せるので)何で?」と言われることも多い。
それを言わないでいたら、周りから「さぼってる」と思われて人間関係が悪化して仕事に支障もきたすし。本来発揮できたはずの力が発揮できない可能性もありますよね。

青木さん

ユカコ

そうですよね!もったいないな~って思います。
でも本当そうやってしっかり伝えていくと理解者は絶対増えてきますよね〜!
周りの方には私と話をするときには気を付けてもらうことが多くて、時間がかかるし不便もかけるのは申し訳ない、ありがたいことだなと思っています。だからプラスアルファでお返しをしようと心がけています。

青木さん

ユカコ

例えばどんなお返しをしたり、、ですか?
例えば何か相談されたときに、聞かれたことに答えるだけじゃなくて、誰にどういうやり方でやるといいよみたいな補足情報も伝えるとか、誰かが病欠とか子供が急病で早退する時などに率先してフォローしたりとか。

青木さん

ユカコ

うわあ、ありがたい。
(2児の母としては本当そういうのは障害関係なく持ちつ持たれつなのかなって感じます。)
他にも、私大学が英語関係なので、英語に関する業務は私が引き受けたりとか。
そんな特別なスキルじゃなくていいんです。

やってもらうばかりではなくて自分も気を配って周りのために何かする習慣をつけることで、対等の関係になれるんじゃないかと思いますし、自分のスキルにもなります。そしたらみんながハッピーじゃないですか。

青木さん

ユカコ

いやーほんとわかります!でもそうやって実際にできるのは素敵だなあって思います♪
私も見習わないといけないことが沢山です!

今日はありがとうございました!


そして次回は青木さんといえばドコモでみえる電話をやっている人!ということでみえる電話のお話をしていきたいと思います。
(公開をお楽しみに!♪)

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