手話と口話、難聴児が選ぶべき道について
公開日2016/07/31最終更新日2019/10/23
手話と口話
(久しぶりの投稿になりました…。しかも本日は長文です。)
手話と口話と、聞こえる世界のお話しについて。
私の主観入りまくりの話になりますが・・・難聴者の人と聞こえる人の世界は結構こんな風に分類できるんじゃないかと思います。
・手話の世界
・口話・筆談の世界
・聞こえる人の世界
と分けたときに、大きく分けて、手話ができる人の世界と、できない人の世界に分かれてて、なおかつどっちともうまく共存している人もいれば、聞こえる人の世界とうまく共存している人もいます。
でも、イラストの斜線にあるとおり、うまく共存できている人の割合って少ないんじゃないかと思うんですね。(統計があるわけではないのでなんともいえないのですが、、、私の感覚です!!笑)
で。この世界の違いはどういうことかについて説明するとこんな感じ。
手話の世界ってすごく難聴者にとっても、聞こえる人にとってもわかりやすい世界だと思うんですね。
みんなに情報保証をするにも”手話”をつかえば1人が手話通訳をするだけで、100人の(手話ができる)難聴者に情報を一気に届けることもできます。
そして全く同じ共通言語【手話】があるので、結構仲間意識が強く、手話ができるだけで一気に親近感がわいたりしやすいとも言えます。
手話を使える人同士の横のつながりって本当結びつきが強いです。海外で日本人に合うと仲良くなるというのと同じような感じですね。笑
加えて、聞こえないので手話で話してほしい、手話を使えば会話ができるっていうのは健聴者から見てもわかりやすいんですね。聞こえない=手話というイメージがあるのでイメージ通りで、結構わかりやすいとも言えます。そして、世間を動かす力を持っているのもこの世界だと思います。
例えば手話を使った料理教室があったり、ヨガ教室があったり、手話サークルがあったり、講演会等でも、手話を使った情報保証があったりします。
ただ、”手話ができる健聴者”とは密接な繋がりがあるけれど、普通に過ごしている聞こえる人とはあまり接点がないことも多く、聞こえる人にとっては、街中で手話を使ってる人を見たことはあるけど、その人たちが友達!という人はあまりいないかもしれません。
それに反して・・・
口話・筆談の世界中心に生活しており、手話をメインとして使わない(使えない)難聴者たちも数多くいます。(目立たないだけで人口割合的にはこちらのほうが本当は多いくらい。)
軽度難聴、中軽度難聴、老人性難聴であったり、中途失聴の人も多くの人がこちらに含まれるかもしれません。そして一部の高度難聴、重度難聴者も口話、筆談メインで生活しています。
※イメージ的には聾学校ではなく普通学校に通っている難聴者はこちらが多いと思っていただければと思います。
しかし、こちらの難聴者たちは手話を使えない人がほとんどです。しかも、普通学校に通っていたりすると身近に難聴者はほぼいません。現に私も幼少期の言葉の教室以降、社会人になるまで難聴者を身近で見たことがありませんでした。
そうなると、ほかの難聴者を知らないがゆえに、いろいろ相談する相手がいなかったり、手話の世界の人とはまた悩み等もちがっており、けっこう悩むことが多かったりします。
しかしどうしても”聞こえない”ことには変わらないので、聞こえる人の世界にもなじめず、かといって、手話メインの世界にもなじめず、孤立してしまうことがあります。
サポートする側としても、手話のように一律でのサポートもできず、○○さんは結構口が読めるけど、◆◆さんはほぼ筆談じゃないとダメ、□□さんは割と耳でも聞いているので最低限のサポートでいい…等、聴力の度合いであったり、本人の読唇術や発音のレベルで結構違ってくるんですね。
なので、大切なのは、
・手話の世界
・口話・筆談メインの世界
・聞こえる人の世界
のどこにいてもいいし、そこに所属しなくてもいい。
でも、どこか一つは難聴者自身が”ここは自分に合うなあ~と思う居場所”に出会えるようにすることが一番大切だと思います。
子供の性格、周囲の環境、親だけでなく祖父母や兄弟の関係、年齢、その時の難聴者の考え方・・・いろんな要因が組み合わさってシームレスに中心となる世界が移動します。
難聴児のご両親にはそういった移動にも柔軟であってほしいなあ~と思います。
聞こえるご両親のばあいどうしても「聞こえる世界」にいてほしい!と思い、子供に強要してしまうことがあります。手話をつかわない!とか、普通学校に通わせる!とか。
でも、それで不登校になったり引きこもりになったり、子供自身が自分に自信を持てなかったら…もったいないなあ~と思います。だって人生ってめっちゃ楽しいのに!(笑)
もちろん私個人の考えとしては、聞こえる人と交じって生活したり、聞こえる人の世界に行ってみることは大事だと思います。
聞こえる人が大多数の現代社会において、聞こえない人とばかり過ごすのはもったいないな~と思うので、可能性を広げる意味でも、聞こえる人とも接していろんな世界を知ることは大事だと思っています。
なので、このブログでも、聞こえる人とも接して、聞こえる人の世界を知ることが大事!!と強調していますが、その前段階として、そもそも難聴者の子供自身が肉体的だけではなく
精神的に健康であるためにはまずは子供自身にあった暮らしやすい世界を選択することが一番です。
それは手話メインかもしれないし、口話メインかもしれない。それはどちらでもいいと思います。
そのうえで、できる限り将来の可能性を広げるための場所を準備してあげるのが一番いいんじゃないかな~と思っています。
なんだか長く語りすぎちゃった…
というわけで今日はちょっと固めのお話ですが、手話と口話についてでした!