【母の体験談】ユカコの難聴がわかるまで⑤
公開日2016/07/15最終更新日2016/07/15
ユカコの難聴が分かったとき
ユカコの難聴がわかるまでと、わかってからのお話し。
今日は私の母が大切にしていたことについて。
それは・・・
「選択肢を増やすこと!」でした。
■選択肢が限られるケース:(私を聾学校にいれた場合(30年前))
0歳の時点で聾学校を選んでいた場合、だいたい6歳まで聾学校の幼稚部(耳の悪い子の幼稚園みたいなところ)に通うことになります。
そして、6歳から小学校入学の年齢なのですが、(当時)発音の練習をしないということは、私のように重度難聴の場合はなかなか急に普通の学校には行けないと思います。
最低限聞こえる相手に伝わる発音ができないと普通の小学校に行くのは厳しいですよね?
そう考えると、私の場合、6歳からも引き続き聾学校、そして必然的に中学高校も聾学校を選ぶ可能性が高かったと思います。
これが選択肢が限られるケース。もし本人が普通学校に行きたい!高校進学したい!留学したい!と思った時のハードルが高くなります。
■選択肢を増やしたケース(私の場合)
30年前のお話しなので今とは全然違います!笑。
母は、私を聞こえる子供たちとも関わらせたいという考えでした。
将来社会に出たときのことを考えて、できる限りいろんな経験を積んでほしいと思っていました。
なので幼少期(4~6歳)の私の環境としては
・発音や言葉の訓練→言葉の教室
・日常生活や人間関係→地元の幼稚園
という感じで、耳の悪い人とも、聞こえる人とも接するという感じでした。
私の場合は特に人間関係等は問題なくみんなと仲良く過ごせており、私自身も”みんなと一緒に同じ小学校に行きたい!!”と言ったことから、地元の小学校にそのまま進学することになりました。
しかし聞こえる子と一緒に過ごしていていじめがあったときや、聞こえる子と合わないということであれば聾学校に移ればいいし、逆に、聞こえる子との生活が問題なくできているのであれば普通の小学校や中学校に進学する・・・といったことができます。
これが選択肢を増やすということです。
私の場合は学校が好きだったので、”みんなと離れるとかむりー!ぜーーーったい地元の中学に行く!!”と言い張り、無事に(?)地元の中学に進学。
そして受験し、高校進学、大学進学、就活をして、社会人(今ここ。)と自分の好きなように進路を決めてきました。
毎回、人生の岐路に立つような進路の場合、選択肢を複数用意してもらい、その中から自由に選ばせてもらっていました。
■耳の悪い人でも、普通学校に行くのが一番いい選択肢!というわけではなく、
私(ユカコ)にとっては普通学校に通うのが一番いい選択肢だっただけ。
私の場合は周囲の友人たちに恵まれたこと、そして自分の性格がテキトーで気にしないタイプだったことや負けず嫌いだったことからも、普通学校のほうが合っていたかなーと思います。
でも、その選択は人それぞれで、聾学校のほうが向いている子もいれば難聴学級のほうが向いている子もいます。
ただ、それが0歳や2歳の時点ではなかなかわからないので、子供に合った選択ができるように選択肢を増やしていくことが大事だと思っています。
■聾学校だと選択肢は狭まるのか?→そんなことはないけど、対策は必要かも。
例えば、聾学校今の聾学校は、発音の練習も行いますので、当時とは違うと思います。
ですが、やっぱり日々の生活の割合では、聞こえない子と接することのほうが多くなると思うので、どういった形であれ、聞こえる子とも関わりを持たせてあげることは大切だと思っています。
例えば習い事でもいいし、親つながりの子供付き合いでもいい。どんなことでもいいと思うので、「聞こえない子」だけではなく「聞こえる子」とも接して客観的に聞こえないことがどういうことなのか…とかを知っておいてほしいと思います。世の中に出たときのためにも。
なぜかというと、これまで聞こえない子だけの生活で、手厚いサポートをされていた場合、急に聞こえる人たちの中で過ごす!ってかなり難しいし、ストレスがたまると思います。
なので俯瞰的に自分の障害を知って、聞こえる人とも接し慣れしておくこと。
それが選択肢を増やすことにもつながると思っています。
■選択肢を増やしてもらった私が、大人になって、社会に出て強く思うこと。
0歳とかで新生児スクーリングで難聴が分かったりした場合…
今、”現時点”でベストなところがわからない事もあると思います。そういった時、選択肢を増やすことを念頭に置くことを重点に置いて幼少期にどこに通わせるかを選ぶ考えもありです。
子供が大きくなった時に、聞こえない世界も、聞こえる世界もどっちも選べるようにしておくことで、子供自身の性格や、親の考え、そして世の中の変化・・・についていけるんじゃないかな~~と思っています♪
さて、次回は・・・私はなんで普通学校でうまくいったのか?についてお話したいと思います!