【デフサポちゃんねる】読唇術どうやってできるようになった?読唇術のコツを教えます!
公開日2020/08/17最終更新日2020/08/17
デフサポちゃんねる
ユカコ
読唇術、どうやってできるようになったの?
読唇術をどうやってできるようになったのかという質問を意外とよくいただきます。また、聞こえる人、聞こえない人に限らず「読唇術ができるようになってみたい!」という人も意外といることにびっくりしたので、今日はこの辺についてお話していきたいと思います。
最初に私自身がどういうふうに覚えたかというと「いつの間にか習得していた」というのが正しいです。
なぜかというと、私が赤ちゃんの頃は今のような新生児スクリーニングなどがなく(※新生児スクリーニング:生後3日頃に聴覚障害がわかります)昔は親がおかしいな?と思って初めて分かること多かったんですね。で、例に漏れず私もそうでした。母が「おかしい!おかしい!」と言って耳鼻科に連れて行って初めて分かりました。
耳鼻科に行くまでの間に家族や親子の会話がなかったかというと、あったんですよね。普通に会話はできていて、だけど発音が悪すぎて母以外の人は私が言ってることは分からないのだけれど、私は相手が言っていることはなんとなく分かっているみたいな感じで、その頃からいつの間にか口を読んでいたんですね。
ただ読まざるをえなかったとも言えて。音も聞こえないので口を見て会話するしかなかったので、なんかこう必然的に…苦労とかしたわけじゃなくって身についていたみたいなところはあります。
読唇術を上達させるための3つのポイント!
そんな私なのですが、やはり小さい時に比べて今の方が読唇術はすごく上手くなっていますね。幼少期は幼少期で別に下手ではなかったのですが、持っている語彙量も少ないですし、こういう場面だとこのような話をするなというような、いろんな場面の経験値とかもすごく少なかったので、幼稚園とか小学校に比べて中高時代の方が読唇術は上手くなっています。
また、中高時代よりも社会人になってからの方が更に上手くなっています。やはり読唇術で大切なのは、自分自身が持っている語彙量。
あとはこの3つがすごく大きなポイントです!
特に1つ目の予測が大切です。予測がどれだけできるかというのが読唇術の精度をとても上げてきます。2つ目がリズム。3つ目が口の形です。ここから少し詳しく説明していきますね。
1つ目のポイント「予測」
例えば誰かにドンっとぶつかって物を落としてしまったとします。相手の人が落とした物を拾ってくれたら「ありがとうございます」と言いますよね。そういう会話の流れや場面の流れをイメージして、自分がもし拾ってあげたら相手は何と言ってくるかというと大体「ありがとうございます」とか「すみません」とかそういう感じですよね。
そのような感じでもう「あ、こう来るな」みたいな言葉は準備しておくと良いです。「ありがとうございます」と「あ、すみません」だったら口の動きが全然違いますよね。そういうふうに予測しています。
2つ目のポイント「リズム」
例えば仲の良い友人同士でぶつかったりしたら「あ、ごめーん!ありがとう!」みたいな感じになりますが、知らない人とぶつかったら「あ、すみません。拾ってくれてありがとうございます」といった感じになりますよね。この2パターンは文章の量も違うし言うテンションと言いますか、リズムも違うんですね。
このリズムによって敬語になったりタメ口になったり、ですます調が変わったりもするので、結構リズムも気にしながら聞いています。「聞いている」じゃないな。見ています。
3つ目のポイント「口の形」
口の形を読んでいても、一字一句を全部逃さず読んでる訳ではなく、こう来るなと思った単語ではない時に補足としてもう1回しっかり読み直す、といったことが近いような気がします。
ですので、多くの人が口の形から読唇術を覚えようとするのですけれど、実際はそんなことはなく、先に挙げたポイントである「予測」や「リズム」から覚えていった方がおそらく楽だと思います。
読唇術を試してみよう
では、実際に読唇術を試していただこうと思います。動画で見ていただいた方が分かりやすいと思うのでぜひ併せてご覧くださいね。
いきます!
今、口パクで「デフサポちゃんねるはじまるよ~」という感じで言いました。
最初の仕草などもあったと思うのですけれど「デフサボ」ときたら次はたぶん”ちゃんねる” で “は”(の口の形)が見えたら「はじまるよ」と続くかな、と思いますよね。
じゃあもう1回 口パクで「デフサポちゃんねるはじまるよ~」と言ってみます。
これリズムも結構あるんですよね。一語一語を丁寧に言う場合とリズム良く言う場合とでは結構違うので、口の形をひとつひとつ覚えるのは後の方で良くて、先にリズムにのって覚えた方がいいと思っています。
では次です!
何の言葉が続くのか当ててみて下さい。
「このスープさ、〇〇〇〇ね~」
二回目いきます。
「このスープさ、〇〇〇〇ね~」
わかりました?大体あのカッコの中に入るのは「このスープ熱いね」「おいしいね」「ほっこりするね」「温まるね」などが多いです。
その中で私はさっき最初に「あっついね〜」と言って、2回目に「美味しいね」と言ったのですけれど、「熱いね」と「美味しいね」のどちらが来るかはわからないです。だからそれを3つ目の口の形で判断していくイメージです。
例えば「熱いね」だったら「あ」。
「美味しいね」だったら「お」。
“あ”と”お”でちょっと始まりが違うので、今「美味しい」って言うかな?と思って口の形を見ていると「やっぱり!」といった感じで判断できます。
ですので、一番は予測をしながら何の単語が入るかを考えつつ、場面に合わせて「あ、この回はこう来るな」みたいな感じで理解できるとすごく面白いんじゃないかなと思ってます
ちなみにこの「あ い う え お」1回やってみますね。
「あ」の口の形
「い」の口の形
「う」の口の形
「え」の口の形
「お」の口の形
すごく丁寧にやった場合と実際とでは口の形が違うことが多いです。なのではっきり動く口を覚えてしまうと会話をすべてはっきり言ってもらわないと分からなくなってしまうので、一番いいのは英語と一緒で、単語単語で覚えてしまうのがすごく楽かなと思っています。
この母音さえ分かれば、結構始まりで分かることも多いんです。「アイス食べたいね」「イチゴ食べたいね」と2つとも言ってみますね。
まずは「アイス食べたいね」だとこうなります。
続いて「イチゴ食べたいね」だとこうなります。
なんだか違うじゃないですか。結構わかりませんか?「アイス食べたいね」と「イチゴ食べたいね」で結構違うので、予測しつつも「あーこういうふうに始まるんだ」というのが分かれば、比較的会話はわかるようになってきます。
もちろんすぐに分かるようにはならないのですけどね。これはもう英語とか第二外国語を覚えるのと同じでひとつひとつを習得していけばあるとき「あ、わかる!」みたいな、ちょっとポンっと分かり始める時が来ると思います。
読唇術30年でも苦手な口の動きとは?
私自身に関しては これだけ30年間ぐらいずっと読唇術をやってきているのですが、これだけやっていてもとても苦手な口の動きはあります。何かと言いますと・・・
「いち、に、し、しち (1,2,4,7)」です。これ数字だから脈略がないんですよね。例えば1時でも2時でも変ではないですし、「待ち合わせ1時ね」でも「待ち合わせ2時ね」でも一緒じゃないですか。だからこれは結構苦手です。
あと”し(4)“と”しち(7)“も分かりにくくって、どっちも”い”のうちの”い段”なんですよね。
1回やってみますね。「いち、に、し、しち」
“い段”で ”いきしちみひみいりい”の中でも”いち に し しち“って口の中で発音を全部してしまうので分かりにくい上に、文章と違って数字は脈略がないからホンマに苦手です。
仕事の時はもう1回言って確認することが多いですでもね これホンマに難しいんですよ。”に し しち いち“は、おそらく口からは分からないのではないかなと思います。
何より読唇術で一番大事なのは会話の流れを掴む力だと思っていて、もちろん突拍子もないことなどもあるのですぐには分からないと思うのですが、最初は会話の流れから「あ、今こう言っているんだろうな」と予測を繰り返していくのが、読唇術習得の一番の近道かなと思っています。
私の場合は読唇術ですが、ほぼほぼ聞いていないので、たまにコメントで頂くのですけど「イヤホンガンガンゲーム」って何のことか知らなくて、だいぶ後になってから知ったんですけど、恐らくイヤホンで音をガンガン鳴らして会話をするというゲームなんですけど多分あれは余裕だと思います。いつもの私と変わらないので、イヤホンガンガンゲームはどこかで試しにやってみたいなーと思っています。
是非動画もご覧くださいね。またねー。