【分かりやすい!】補聴器のキホンについて徹底解説!
公開日2017/02/16最終更新日2019/08/18
■人工内耳と補聴器
デフサポのユカコです。
前回は人工内耳についてお話ししたので、今日は補聴器について徹底解説をしていこうと思います。
補聴器とは
補聴器は薬事法で定められた管理医療機器に指定されている。
厚生労働省から正式に医療機器として認定されているものだけが「補聴器」という名称で売られている。
補聴器の種類
・耳かけ型(既製品&オーダーメイド)
・耳穴型(既製品&オーダーメイド)
・眼鏡一体型
・箱(ボックス)型
基本的に高度難聴、重度難聴であれば耳穴タイプか、耳かけタイプのどちらかになる。また、耳穴に入れる部分の耳型を取ってその耳型に合わせて補聴器を作るオーダーメイド仕様になることが殆どになる。
※軽度難聴や老人性難聴であれば既製品であったり、もっと目立たず見えにくい補聴器を使うこともできます。
デジタル補聴器の仕組み
①マイク(マイクロホン)で音を集め、電気信号に変換する
②電気信号で入ってきた音をアンプ増幅する
③スピーカーで音を流す
補聴器は人工内耳と違って仕組みは単純。
耳かけ型でも、耳穴型でもベースの仕組みは全く変わらない!
また最近主流のデジタル補聴器では入ってきた音の増幅だけでなく音の強弱や高低、方向等を考慮して不要な雑音を抑えて聞きたい音を強調することができます!
補聴器の部品について
アナログ補聴器とデジタル補聴器
アナログ補聴器は、補聴器に入ってきた音声信号(アナログ)をそのまま増幅してスピーカーから出力するもの。
なので、雑音もそのまま大きくなっていた。
デジタル補聴器は音が電気信号に変換され、マイクロプロセッサ(コンピュータ)で雑音を抑え、かつ自然で元の音に近い音に変換する。一人ひとりの聞こえに合わせて調整することが可能。
今売っているのは基本的にデジタル補聴器のみ!
補聴器も日進月歩で進化していますね。
実は昔アナログからデジタルに切り替えが始まったころ、私にはデジタル補聴器は合わない!と思ったことがあります。地下鉄で「ゴオオオオー」という雑音がかなり抑えられて「シュー」くらいにしか聞こえず、地下鉄なのに音が静かな状態!となっていました。
アナログでは純粋に大きな音は大きく、小さな音は小さく聞こえていたので地下鉄の音なのに音が小さい…といった面で気持ち悪さを感じてしまったんですね。なので当時あえてデジタルにしなかったのですが、今はデジタル補聴器も進化しており、違和感を感じなくなっています。
補聴器のチャンネル(バンド)とは
チャンネル=補聴器の周波数を分けて調整できる数を表したもの
簡単に言えば9チャンネル=125Hzから8000Hzの間で9個に分けて調整できる。
5~8チャンネル、10~12チャンネル、15~16チャンネル、20チャンネル…とその差はかなり大きい。だいたい12チャンネルあればほぼすべての音をカバーできる。
チャンネル数が増えるに伴って補聴器そのものの金額も上がっていく!
※この辺りは会社によって全く金額が異なるので購入する際は各メーカーのパンフレットを取り寄せることをお勧めします!
また、補聴器を買うときに身体障害手帳でカバーの効く範囲内で購入する場合は5~8チャンネルのものとなってしまうことが多く、どうしてもチャンネル数の多い補聴器を選ぶと実費で出す額が多くなります。
補聴器を買うお店のポイント
必ず認定補聴器専門店で買うこと!
下の画像のように認定証書やステッカーが貼られています。
(画像はテクノエイド協会より引用)
認定補聴器専門店とは・・・
認定補聴器技能者が在籍しており、補聴器を各装用者の耳、聞こえに合わせる設備機器が整ったお店のこと
認定補聴器技能者とは・・・
耳鼻咽喉科の専門医と連携を持ち、補聴器に関する必要な知識や技能を持っている人のこと
乳幼児の場合はだいたい療育センターや通っている病院と提携していたりするのであえて探したりしないかもしれませんが、お店選びは大事です!ここならお任せできる!というところを探すことが大切!また、療育施設や病院でのフォローがなくなった瞬間全然なにをしたらいいのかわからない!という方も多くいらっしゃいます。
そういった意味でも気をつけていただけたらと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
また、それぞれのお店によって扱っている補聴器のメーカーや、メインにしているメーカーが違います。例えばこの補聴器がほしい!と思ってもお店にないことも…。そのあたりも含め自分の欲しい補聴器や、メーカーの違いを事前に調べていくことをお勧めします!
補聴器を買うときの流れ
①カウンセリング
②聴力検査
③購入する補聴器の検討
④試聴(場合によってはできないこともあります)
⑤補聴器の決定
⑥イヤーモールドの型取り
⑦補聴器完成
⑧補聴器の微調整(音の調整)
・補聴器ができるまで約1か月~2か月
・補聴器屋に行く回数約5~8回
調整であったり、補聴器店には何度か店に足を運ぶ必要があり、その後もアフターケアの必要があるためなるべく家から通いやすいところのほうが負担は少ないです。
補聴器メーカーの世界シェア率
①Sonova(ソノヴァ):2007年フォナック社より社名変更
②William Demant(ウィリアム・デマント):傘下にオーティコン
③Sivantos(シバントス):2014年シーメンスより売却
④GN Resound(ジーエヌリサウンド)
⑤Starkey(スターキー)
⑥Widex(ワイデックス)
上記6社で世界シェア9割を占めている!
※どちらかというとフォナック、シーメンスといった旧社名(製品名)のほうが聞き覚えのある人も多いかもしれません。
日本シェア率の1位は…リオン!(国産メーカー)
日本ではなんと、先ほどの上位6社ではなく、リオン社が圧倒的1位を占めています。
しかし、リオンはかなり国内での人気は高いですが、世界的に見るとシェアは全くありません。
こういった国内人気に惑わされずに世界的なシェアを見据えたうえで補聴器のメーカーを決めることをお勧めします!
人工内耳の3社に比べると選択肢は広がるのでいろいろと各社の補聴器を聞き比べてみてもよいかもしれません。
補聴器の値段
補聴器は安いもので15万円、高いもので50万円くらい。
この値段は片耳なので、両耳つける場合は30万円~100万円!
・イヤーモールド=8000~15000円
・本体=150,000~400,000円
・アクセサリー=10,000~400,000円
※アクセサリー:乾燥ケースからワイヤレスマイクやテレビの音が聞きやすくなるもの、プログラムやボリューム調整のワイヤレスリモコン等各社いろいろある。
ええ!?両耳つけるだけで最低30万!?アクセサリーもそんなに高いの?!とびっくりしますよね。払えない。。。という方も多いかもしれません。でもちゃんと国からの補助金(補装具費用支給券)が出ます!
(補助金やランニングコストについてはながーくなるのでいずれまとめたいと思います。)
補聴器はどのくらいのペースで新しいものが出る?
だいたい、1年半~2年で新しい製品がでる!メーカーによっては半年~1年で出ると言われている。製品が出るたびに買い替えたい!と思うかもしれませんが…補聴器の耐用年数が5年と考えられているため、国からの補助金は5年たたないと出ない!
なので、最短で5年ペースで補聴器を買い変えていくと考えると2世代、3世代先の補聴器になるので新しい補聴器を買うときには毎回かなり進化している!
結構今の技術の進化はかなりのスピードなので補聴器ひとつをとっても結構違うかもしれません。
実際…5年ももつのか?
これは…はっきり言うともたない・・・と自身の経験から思います。こないだは4年でチューブ切れたし…そのあとも音が途切れたりしています。
しかし、メンテナンス次第では持つと思います!メンテナンス結構大事!私怒られた経験あり…。笑(この記事)
0歳とか1歳でも補聴器つけるの?
答えは…低年齢であっても難聴が判明したら補聴器をつける!!
もちろん嫌がる子もいます。嫌がる場合も単に邪魔で嫌がる場合は何度でもつけます。(※感覚過敏などでつけれない場合は別)
音が入った方が脳への影響や聴神経の刺激に良いといわれているので難聴が判明した時点で補聴器をつける流れ。(1−3−6ルール)
※人工内耳の手術をする場合も”補聴器での補聴が見込まれない場合”とあるので手術の前まで補聴器をつける。
とはいえ。。。私の場合難聴と分かったのが2歳すぎなので、補聴器をつけたのも遅かったです。笑
うちの子0歳の時つけてない・・。とか、0歳、1歳子供が嫌がって全然つけてなかった…とか心配しなくても大丈夫ですー!✨早いに越したことはないけど、つけれるならつけた方がいいんだな~くらいで考えてください!
補聴器の基本について解説してみました!みなさまご存知でしたでしょうか~??
聞こえる人も、私には関係ないわー~!と思うかもしれませんが…今の日本は高齢化社会なのでこれからどんどん補聴器の人口は増えていくといえます。家族や祖父母等身近な人が補聴器をつけることになったとき…役立てていただければと思います。