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【難聴×就活】聴覚障害の私が希望の会社に就職するためにやったこと(ES編)

公開日2018/04/02最終更新日2018/04/02

会社員時代のユカコ

【難聴×就活】聴覚障害の私が希望の会社に就職するためにやったこと(ES編)

私事ですが、2018年3月31日をもって、新卒から7年間働いてきたソニー株式会社を退職しました。

これまでは会社にデフサポの活動のことを伝えていなかったので、あまりブログでもオープンにしていなかったのですが退職!ということで大々的にオープンにしました!笑
そして、忘れないうちに私自身の就活と会社員生活についてお話していきたいと思います。(全10話くらいになりそうな予感)

いつ、就活を始めたのか?

私の場合は、2011年卒なので、2009年の秋から就職活動をはじめました。
当時はリーマンショックの翌年だったため採用への影響が大きく、就職氷河期のタイミングでした。

10月から2月にかけて、エントリーシートを書き始めました。
そして、正式には4月選考開始という流れです。

私自身がソニーや、その他の会社の内定を頂いたのは、4月頭です。
(※実際は前倒し選考も行われており、2~3月から内定はもらっていました。)

障害者採用と一般採用のどっちにした?

まず、私のように身体障害手帳(2級)を保持している場合は就職活動をするにあたって大きく2つの採用路線を利用できます。なのでまずはナビサイトに登録をするところから始めました。

①障害者採用
 (WebSana、クローバー等)
②一般採用
 
(マイナビ、リクナビ等)

かくいう私はもちろん、どちらとも利用しました〜!!♪最終的には一般採用メイン、もしくは障害者採用と一般採用の違いのない会社を選びました。

就職活動の時期のイベントではいろいろな企業さんとお話をして情報収集をして、30社〜40社くらいは合同企業説明会※でお話をお伺いしました。(※各社がブースを出してちょっとずつ説明を聞ける場です)

その上で、実際にエントリーシートを出した会社は15社ぐらい

当時、私自身が当時なーーーーんにも物事を知らなかったので(って、今もですが…)大学3年生の当時の時点で”名前を知っている会社”しか受けませんでした。更に私の場合は、大学院、留学、休学という選択肢もあったことで、行きたい会社だけに絞って受けました。今思えば、こういった逃げ道があったのも心の余裕につながっていたように思います。

※障害者雇用率制度
従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)
民間企業の法定雇用率は2.0%です。従業員を50人以上雇用している企業は、身体障害者又は知的障害者を1人以上雇用しなければなりません。

厚生労働省HP障害者の雇用より

行きたい会社のジャンルはどう決めたのか

これもよく聞かれるのですが、私自身はもうわかりやすいくらい”THE 英語のできない文系!!”でした。理系の人たちのように特化したジャンルがあるわけでもなく、文系なのに英語ができない。そして大学での専攻は心理学系…となればもう会社にアピールできるような特化したものが全然ないわけですよ…(泣)
もうこれはどうしようもない!と開き直って、こっちが行きたいところだけをピックアップしよう!と決め、

働くのが楽しそうな会社!

を中心に決めました。なのでジャンルはほんと~ーーーにバラバラ!!笑

結果的にエントリーシートを出したところは…こんな動機で決めてます。例えば…

ソニー

ユカコ

自由闊達にして愉快なる理想の工場ってかっこいい!そして働いてる人も面白そう〜スマートなイメージ!
サントリー

ユカコ

「やってみなはれ」のチャレンジ精神が楽しそ!お酒も好きだし♪エントリーシートも自由記載で空白って楽しすぎる!
電通

ユカコ

Innovationってすごい楽しそう、広告系だとアイデアとかを形にしていけそうでクリエイティブな感じが楽しそう〜!
…等

もうこの時点で、大学三年の私の浅い考えは読めると思います。本当キラキラしてるとこしか見てなかった!!笑 

それでも案外内定自体は対策さえちゃんとしていれば取れるとも感じました。最終的に内定数社、選考辞退数社、ESや面接で落ちたのが数社。という感じです。ほかの会社も興味ある方はまた会ったときにでも聞いてくださいw

当時、エントリーシートを書くときに気をつけていたこと

ここからこの記事の本題ですね。
エントリーシート(以下ES)は、正直言って一番力を入れたポイントです。加えて各社とも集中的に情報収集をしました。あくまでも当時の私がやった対策はこんな感じです!(ソニーで人事を経験してきた今だったら、もう少し違う方法も付け加えるかなあと思います。)

①各社のホームページを隅から隅までチェックした

採用のページを見るのは当たり前ですよね。
それに加えて、新製品でどういうものが出ているのかは必ずチェックし、レビューを調べたりしていました。
その上で会社の傾向や力を入れている製品を知っておき、更にかならず1社につき2つくらいは実際に体験(使用・飲食等)しておきました。

また、各社の理念というところはESを書くときに必ず頭に入れておくようにしていました。


②各社の創業者の本や、その会社で有名な本はESを書く前に数冊読んで、ESに反映させた

例えばソニーだったら、この2冊は最低限読んだり。

そういうふうに各社の理念を知っておいて、各社ごとにその理念に合う自分の経験を書くようにしていました。
なので15社ともESの内容は本当に全然違います!笑


③OB、もしくは就活で出会う人事の人に会社の現実話を聞きまくった

OBがいればなるべくOBに、無理であれば人事の方に実際はどういう会社なのか?ということを聞くようにしていました。で、その上でそのOBが考える会社のマイナス面などを聞いておき、それに応じた対策を考えてみたりしました。

当時は思っていなかったのですが、私の場合はOBに恵まれていたことと、現場で出会う人事の方にも恵まれていたので、いろいろな話を率直に聞けたなあと思っています。(もちろん事前準備はしてます。)

会社の理念(理想)と、現場(現実)の乖離点をまず探して、その上で自分なりに分かることを調べたうえで自分なりに情報を整理しました。


④ESには大きなことは書かないで、私自身ができる現実的なことを書いた

けっこうESってかっこいいことを書いてしまうというか、、、自分を大きく見せるためのものなのでどうしても大きなことを書いてしまいがちなのですが、大企業に対しては、「会社」に対して一人の個としての自分ができることを中心に現実的なことを書くようにしました。

例えば、「業績が悪いので、こういうふうな企画をして対策をします!とか、もっとみんなが楽しく働ける会社に!」みたいな書き方だと「カッコイイこと言ってるけど、実際そんな簡単なことじゃないよね…。そしたらそのためにどうするの?」みたいな感じになりそうなので、、、
私自身は、自身がその会社に入ってやりたいことと、実際にできるであろうことをアピールするように心がけていました。


⑤自身のキャパオーバーと混乱を避けるためにも各分野ごとに1社しか受けないようにした

私個人として、エントリーシートは何よりも大事なものだと認識していました。
OBからもそのエントリーシートを元にいろいろ面接で聞かれるから絶対おろそかにしたらだめだよ!と諭されていたのもあって、本当にES対策を一番頑張ったと思います!笑

なので、似たようなジャンルの会社(例:ソニー、パナソニック、日立などの電機メーカー)を受けると、自分自身のキャパシティ的に厳しいな〜と思ったんですね。パナソニックとソニーのどっちかで書いたことが混じっちゃいそう的な…。(要は私のキャパが少なすぎるってことですが)

なので、基本的には1つのジャンルで1つの会社しか研究しませんでした。他社は、本当にライバル業界として調べた感じです。


⑥聞こえないことを明確にエントリーシートに記載し、その上でできることをアピールした

耳が悪いってことは必ずどのエントリーシートにも書きました。
そして、聞こえないことによってできないことも明確にした上で、できることを特にアピールしました!

・聞こえない事実
私はこんなふうに聞こえていません。
電話もできないし、〇〇の音もわからないですし、口を読んで理解しています。

・聞こえなくてもいろいろな経験をしてきたことと、聞こえないことで工夫してきたこと

でも、こういったことをこれまでしてきて障がいによってできない事などもこういったふうに乗り越えてきました!

・その経験から会社に貢献できること
私自身の経験からこんなことができます!
なのでこういった面で頑張ります、役に立ちます。

流れのイメージ的にはこんな感じです!

就活において障害があることは大きなアドバンテージにもなる!

正直言って、就活を始めるまでは障害ってマイナスになるんじゃないかなあ〜??とか思っていたのですが実際はそんなことありませんでした!

逆に障害があるがゆえの経験をしているだけで、もっとすごい経験をしている普通の子以上に、”おおっ?”と聞いてもらえる姿勢になったりもします。

「聞こえなくてこんなふうに困って…でもこうしたら解決したんですよ!こういうふうに手伝ってもらいました!」みたいな話って私にとって当たり前のことなんですよね。だからあんまり意識してなかったのですが、意外とスゴイことよりも、こういう話のほうが人事の方からは「いい経験をしてきているなあ」と受け取ってもらえるように思います。

なので、障害者採用をしていない会社であっても、ESを出す前の時点で「もう即内定出すから来てよ〜!」みたいな感じで役職の方からお誘いをいただいたことも何度かあります。それだけ良くも悪くも【障害】は印象に残りやすいんですよね。

なので、障害を持つことは、就活においてはアドバンテージにもなるなと思わされました。
※あくまで就活においてです。実際に働く場合はまた別の話です!笑

なので、今、私が昔の自分を褒めるなら
「若いうちにたくさん色々な経験をしてきたこと。
そして聞こえなくても、自分で決めつけないでまずはチャレンジをしてきたこと」
です!

いろいろな経験と言っても、そんな難しいことではなくて一つのことに打ち込むのもいいし、本を読破しまくるとかでもいいし、新しい人に会ってみるとか、スノーボードを始めるとか、、、本当そういう感じで、その上で聞こえないことをどう工夫して過ごしてきたかということが言えると良いなーーと。

というわけで長くなりましたがES編はここまで!
次回はいよいよ本番の面接にや、グループ面接等について書いていこうと思います。
(こちらは難聴を配慮してもらえなかったことも多々っていう裏話…笑)

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