0歳児編:難聴児の言葉が育つための土台づくりにはこの5つをまず押さえよう!
公開日2015/08/20最終更新日2018/08/05
年齢別のポイント
デフサポのユカコです。さて、今日は0歳児の言葉の育て方について!
新生児聴覚スクリーニングで難聴がわかったら…
まずすごい凹むと思うんですよね。
>難聴がわかった親御さんに伝えたいこと
そして今からでもできることはあるのか?と疑問に思うはずです。できることがあるなら今からでも何でもやってあげたい!!と思いますよね〜!
私も実は第一子が新生児聴覚スクリーニングで両耳ともリファーになったんですね。
そのときになにかできることはありますか?と聞いたところ「ありません!」と言われ、えええ!?とびっくりした記憶があります。更にdBの説明もなく普通に聴力がこれくらいですから〜…と話があり、私自身は聴覚障害について理解しているので先生の話は理解できたものの、夫はポカン・・・?の状態でした。
そして、結果的に「片耳が聞こえているから問題ありません!」と言われました。(第一子は、骨の病気の関係上一側性難聴です。)
※片耳が聞こえていても場合によっては補聴器を着ける方がいいケースもありますし、フォローが必要なケースもあります。聞こえている方の耳の聴力が落ちる場合もありますので気にしたほうがいいことも多々ありますのでご注意ください!
・・・と前置きが長くなっちゃいましたが
言葉を教える時のコツと注意点とはいっても…0歳のうちは、ほとんどの聞こえる子供でもまだ言葉を話したりはしない時期です。なので、実際育てて行く上で聞こえる子と聞こえない子の差はほとんどありません。
でも注意すべきことは?なに?どんなことがある?それならお伝えできます。
まずはとにかくハグ!抱っこをたくさん♪
あかちゃんだもの。
正直言って、最初のねんねの時期は聞こえる、聞こえないなんて全く関係ありません。とにかく、ぎゅーっとハグしてだっこして、「○○ちゃーん、かわいいーね!」とか「だーいすき」なんて言ってあげてください。
やっぱり親子関係形成の基礎はハグ、そして声掛けです。何よりも愛されているという実感を子供に持たせることが大切。
難聴があってもとにかく「目を合わせて話しかける」事が大事!
まだ補聴器をつけていないから…どうせ聞こえていないから…と無言になってしまいませんか?
その気持はすごーくすごーくよくわかります。でもやれることはたくさんあります。
そのうちの一つとして、できるだけ顔を見て話しかけるようにする。赤ちゃんであっても目をつかったり、補聴器で聞いたりしてご両親が自分に語りかけていることは分かっています。
聞こえてない子ほど目でいろいろなものを見ています。
ユカコ
それも、母が「大丈夫」という父や祖父母に訴えて無理やり聴力検査を決行して。
赤ちゃんの頃、顔をみて何かしら話すと、ちゃんとなにかしら返事はしたりと反応はしていたそうです。今思えば、小さい子に話しかける時って身振り手振りも多いので、聞こえなくても親の言いたい事が分かりやすかったのだと思います。
ただ、後ろから呼ぶと反応がなかったり、電気を消すと何も言わなくなることから、1歳後半〜2歳頃に母は”あれ?うーんやっぱり気になるな〜”と思ったそうです。
言い換えればそのくらい子供は両親のことみているんですね。
声掛けはもちろん、顔の表情や身振り手振りや習慣。そういったことはすごく大事だなあと思います。
難聴のあるいろいろなお子さんを見ていますが、もちろん視覚優位の子もいれば聴覚優位の子もいていろんなお子さんがいます。なので、なるべく顔が見える範囲でたくさん話しかけながら、目をあわせてください。そうするとどっちもカバーできますし、ぜひ。
特に抱っこしながら話すと振動で話していることが伝わるのでそれもおすすめです!(*^^*)
音のなるオモチャを取り入れる
特に低年齢のうちは、ガラガラとか、持って振ったら音がなるようなオモチャを是非取り入れてください。太鼓等でもいいです。
※よくある、電池を入れて〜音楽がなって〜光って〜というものよりは、アナログなモノをお勧めします。特に重い難聴のお子さんの場合、光に注目してしまい音を聞く姿勢が育ちにくくなってしまいます。
実際にやってみるとわかるのですが、こういうおもちゃは音とともに振動しています。
ガラガラもがらんがらんと音がなっているのが手に伝わってくるし、太鼓も振動が伝わってきます。ペットボトルにビーズを入れて振ったり、お水でばしゃばしゃしたり…
お金をかけなくても色々遊び方はあると思うので工夫してみてください。(赤ちゃんって興味を示すものが意外ととお金をかけないものが多いんですよね。笑)
聞こえなくても聞こえる子と同じように是非身近に音のある世界を作ってあげてください。全く分かってないわけじゃないんです!意外とわかってます!笑
視覚的なものも取り入れて”一緒に”遊ぼう!
こちらも難聴児に限らず、聞こえるお子さんであっても同じですよね!
目を合わせないよりも目を合わせたほうがいいですし、物を見せたほうが理解しますし。
例えば絵本を読んだり、ぶらぶら手を動かしながら遊んだり…いろーんなことを目の前でやってみてください。おもちゃで遊ぶ時もなるべく子供と一緒にそうそう、お外へのお散歩もおすすめです。
0歳であっても、目と耳からいろんな刺激をあげてください。わかってなさそうできっとわかってることも多いと思います。また、目と耳をリンクさせてあげるのがいいと思います。
口が動けば音がする、声が出ている…という流れがわかるということはすごく大切です!
それは聴覚活用でも視覚活用でも同じく大切なことだと思っています。
■ミニポイント
・お散歩のとき
「ベビーカーの後ろから話しかける」よりはできるだけ対面で話しかけてあげてください。
・絵本を読むとき
だっこして、後ろから読むのではなく、前に座って顔を見せて読んであげてください。
親御さんが難聴とことばについて正しい知識を得る
アメリカの流れを見ていると日本でも人工内耳の低年齢化がますます進むことが想定されます。(おそらく医学的側面ではほぼ確定です)
そうなったときに、人工内耳もそうですし、補聴器も同じく勉強していただくこと。そしていちばん大事なのは聴覚障害と言葉の関係について正しい知識を知っていただくことがなによりも難聴児の子育てに大切だと感じています。
加えて、ますます聴覚活用を重視した教育が全面的に出てくると思いますが、聴覚活用も大事ですが大事なのは思考ができるだけの言語力です。
ユカコ
最後に、こどものこと、難聴のことを知って、将来どんな風に育ってほしいか想像してみてください。今はIT化も進んでおり、難聴者にとって働きやすくなっています!今のお子さんが大きくなる頃にはもっともっと働きやすい世の中になるんじゃないかと思っております。
そしてそんな子供を産んだことを、責めないでください。
子供の事も、貴方自身の事も。
誰も悪くないんです。
そして、将来の事を心配しすぎないでくださいね。難聴児にとってハッピーな未来になるように、できることを今いる私達大人の難聴者が道を切り開いて行ければと思っています。