2023年度 デフゼミ活用者イベントのご報告
公開日2023/06/28最終更新日2023/06/28
実績報告
【デフゼミ受講者限定の交流会を開催致しました!】
まずは無事に終わりましたこと、心より感謝申し上げます!
▶️実はデフサポ側でも開催を悩んだ
コロナが5類になったとはいえ、対面での交流会は正直非常に悩みどころでした。
難聴者にとっては、マスクもフェイスシールドも音声理解の障壁であるため、換気しか気をつけられない…という点も悩みのタネの1つでした。
でも、難聴児は学年に1人だったり、全校に自分1人だったりと、自分と同じ環境の子に出会えるチャンスがほとんどありません。さらに、ここ数年のコロナ禍でそのような機会が激減していまっていることを鑑みて、どうしてもやりたい!!という想いは消えませんでした。
デフサポは、当事者と専門家が一緒になってやっている団体で、難聴児の親の支援、そして難聴児のことばの教育だけではなく、認知活動などもやっています。
その中で、補聴器や人工内耳をつけている子供たちが“自分一人ではなく仲間がいる”と感じられることを、幼いうちから当たり前に経験にすることはとても大切です。デフサポがその機会を提供できる団体でありたいという想い、そして親御さんが悩みを伝えることができる場所になること、と言う気持ちは創業当時から変わっていません。
このような経緯から、スタッフで協議を重ね今回の開催に至りました。
▶️他のイベントと被らない日に、限定イベントとして実施
なので今回は、広く募集はかけず、教材やLINEでのサポート、セッションをひっくるめた【デフゼミ】を利用してる方限定のイベントでした。
下は1歳から上は小4までと幅広い年齢の方同士で交流できたのも非常にいい機会でした!
参加ご家族は合計54名、ボランティアや撮影クルーを含めると70名弱のとても楽しい交流会となりました!
また、ボランティアスタッフとして聴覚障害当事者の方3名、補聴器やロジャーの専門家2名、インターン数名に来て頂きました。
難聴がありながら外資系企業で働く女性や、留学経験が豊富な女性、大手企業で新卒で働く男性の3名から直接お話を聞ける機会というのはなかなかないので、とても貴重な機会になったと思います。
これも、デフサポの代表自身が聴覚障害者であり、デフサポのスタッフが専門家が多いことで、様々な当事者や専門家とつながりがあるからこそできる機会になったと思います。
▶️交流会の流れ
交流会は、スタッフの自己紹介からスタート。
デフサポ代表牧野、当事者3名の他、補聴器屋さんや、インターン生や当事者の親もそれぞれ簡単に自己紹介をしました。
その後は、補聴器屋さんから“ロジャー”についての説明をして頂きました。
ロジャーは、補聴援助システムの1つでフォナックから出ている製品です。
話し手の声をワイヤレスマイクが集音して、補聴器や人工内耳に取り付けた受信機まで送信してくれます。聞き手と話し手の距離が離れているときや、雑音が多い時に役立つので、学校生活で使っている子も多いです。実際今回の小学生の参加者は全員学校生活でロジャーを使用しているようでした。
その後は、未就学児チームと小学生チームの2グループに分かれて、それぞれのグループに当事者や補聴器屋さんにも入っていただき、座談会を行いました。
小学生グループ座談会
小学生グループは5組+当事者1名+補聴器屋さん。
それぞれ、簡単に自己紹介したのち、親御さんの悩みに対して、実際当事者はどうだったか?などをお話頂きました。
親としては、子どもが聞こえで困っていたら何でも話してほしいし、相談してほしいからこそ子どもにしつこく聞いてしまう…しかし、当事者に聞くと「全部は親には言わなかった。言ったら心配かけるし、大げさにされるのは嫌だ」というような話も出て、親としては言って欲しいのにね〜〜〜というような話もありました。
また、全員が地域の小学校に通う子だったため、地域の小学校生活ならではの悩み、授業の予習はどうしているか?先生にどこまでお願いするか?などの話も出ました。
未就学児グループ座談会
未就学児グループは11組+当事者2名+補聴器屋さん。
それぞれ自己紹介したのち、当事者2名の方から「自分が子どもの頃にしてほしかったこと」などを中心にお話して頂きました。
未就学児グループは、男性と女性の当事者に入って頂いたので、我が子の将来をリアルに想像できた親御さんも多かったことと思います。
親御さん達が座談会をしている間、親と離れられる子はそれぞれ思い思いに遊んでもらいました。
小学生ワークショップ
小学生組には、折り紙と塗り絵が大人気!幼児組も、パズルや魚釣りなどで遊び、インターン生があっちもこっちもと託児をしてくれました。
座談会も続けながら、参加した小学生はワークショップを行いました。
牧野がクイズ形式で、耳の仕組みや補聴器の仕組みについて小学生向けに話してくれました。ロジャーを全員に接続して行ったので、ザワザワした環境でもそれぞれ聞き取って楽しく取り組んでくれていました。
全員が地域の小学校に通っているからこそ、聞こえない子と一緒にワークショップを行ったことは、いい経験となったと思います。
全体交流
座談会を1時間程度行ったのちは、それぞれのチームでどのような話が出たかを簡単に共有した後、全体交流の時間を設けました。
当事者に聞き足りなかった話や、小学生の親御さんに聞きたい話など、それぞれ和気あいあいとお話が弾んでいるようでした。
▶️ロジャーの聞こえのお試しも!
「ロジャーは実際どのように聞こえるか?」を実際に試している親御さんもいらっしゃいました!
意外と知られていないのですが、ロジャーの聞こえは聞こえる親御さんも試してみることができるんですよ!
そうこうしているうちに、あっという間に閉会の時間となり、2時間半の交流会は終わりの時を迎えました。
▶️お礼
今回は昨年の公園で実施した交流会から、1年ぶりの交流会となりましたが、室内開催ということと人数が多いことでいろいろと戸惑う部分もありました。その中でも、会員の皆様のおかげでスムーズに会を終えることができ、会員様あってのデフサポということを改めて感じた1日でもありました。
デフサポ代表牧野の一時帰国に合わせて企画した今回の交流会、来年もぜひ実施させていただく予定ですので次回はもっと広い会場でご参加いただけるようにしたいと思います。
参加頂いた会員様、お手伝いして下さったボランティアスタッフには心より感謝しています。本当にありがとうございました!!
デフサポスタッフ一同