難聴児にはこんなことまで教えるの!?そうなんです!幼児期の話しかけ方のコツ④
公開日2016/06/01最終更新日2017/03/29
ことば・語彙
デフサポのユカコです。
本日はシリーズ最終!ちゃんと最後まで来れて一安心。笑
幼児期の話しかけ方のコツ①
幼児期の話しかけ方のコツ②
幼児期の話しかけ方のコツ③
幼児期の話しかけ方のコツ④(今回)
さて、どんなふうに子供に声をかけたらいいのか、たくさん言葉を教えるような話しかけってどういう風にしたらいいのか悩む…人もいると思います。
そこで私のとっておきのコツを教えます。
日常の中の非日常を探しまくってください!
どういうことかというと細かいことは以下で説明しますが、普段使っている言葉というのは日常会話が殆どです。では、その日常会話に普段使わない言葉を盛り込むにはどうしたらいいのか。
もう少し大きくなればニュースを取り入れるやり方等(こちらの記事→★)が有効なのですが小さいうちはそこまでの話はできませんよね。なので、日常の中の非日常を探すやり方をお勧めします。
非日常例1:宅配便が来たとき
・ピンポーン:チャイムが鳴ったとき
└あ!『チャイム』がなったよ、『宅配便』が来たね~一緒に玄関まで行こう!
・宅配便のお兄さんが「サインお願いしまーす!」と言ってきたとき
└ポンと『ハンコを押します』~と言いながらハンコを押す
└お兄さんが帰った後ででも、「お母さんは『宅配便』の『伝票』に『サイン』したんだよ~」とか、「ハンコを押したんだよ~」とどういうことをしたのか伝える
・荷物がおうちに届いたとき
└何が届いたんだろうね~??
└○○さんからお父さんに『荷物』だって!お父さんが帰ってきたら開けてみようね!
└わあ!大きな『段ボール』『発泡スチロール』に入ってるね~一緒に開けてみようか!
難聴児はここまでやってあげないと、分かっていない!
先ほどの宅配便を例にしても、勿論大人だけで対応して、中身も大人だけで開封したほうが早いですよね。その気持ちは私もすっごーーく分かります。
でも、こういう一つ一つの出来事も、難聴児にはあえて教えてあげることが大切です。
聞こえる子は他の事をして遊んでいても、ピンポーン→宅配便→サインする→荷物を受け取るという流れが玄関から聞こえているので、「ああ、宅配便が来たんだな~」とわかりますし、いざ親がいなくても宅配便が来たらサインをするということがわかっているので自分で対応することができます。
これができないのが難聴者なんですね。
ついつい、「ええ!なんでこんなことも知らないの!?」と思うかもしれませんが耳が聞こえないということはそれだけ情報が入りにくいんです。なので、地道にしょうもない…と思うことでもドンドン体験させてあげることが大切です。
非日常例2:友達が泣いているとき
こちらにはいろんなケースが当てはまると思います。
友達が悪いことをしてご両親に怒られている最中かもしれません。
はたまたほかの子とケンカをしたのかもしれませんし、コケて痛くて泣いているのかもしれません。
そういう時も場面が分かっている場合「○○ちゃん、こんな事があって泣いてるんだよ~」とか、そういう風に説明をしてあげてください。
「なんで○○ちゃん泣いてるの~??」と聞いて来たりするときも説明のチャンスです。勿論その場では説明しづらいこともあるので家に帰ってから説明をしてあげてもいいと思います。
なんでかというと、同じく聞こえる子は「なんで泣いているのか」が周囲の反応や音で分かることが多く、声をかけていいタイミングであったり、場の空気をこういう時に読み取っているんですね。
例えば、聞こえる子は友達が悪いことをしてご両親に怒られている最中に、「なんで泣いてるのー?」と声をかけません。逆に、ただコケて痛くて泣いているのであれば「どうしたの、大丈夫~??」と声をかけてあげると思います。
しかし、聞こえていないと友達が”泣いている”事しか目に入らないため、○○ちゃん泣いてる!なんで?となってしまいます。
泣くにもたくさんの理由があって、怒られているんだよ、とか、悪いことをしたからよ、とか、こういうことがあって、こんな風になったんだよとか、説明してあげることが大切です。
非日常例3:雷がなっているとき
雷が鳴ったときや、大雨が降ったとき、雪が降った時…日常の中にあるミニイベントがある時はぜひぜひ言葉を教えるチャンス!ととらえてほしいと思います。
例えば雷が鳴ったときの声かけとして
└うわー雷が光った!・・・ちょっと経ってから「ゴロゴロ-」って鳴ってるね!
└わあ!近くで雷が鳴っているね(雷=鳴るという動詞を使うことを教える)
└雷が鳴るとおへそを隠すんだよ~(笑)とか・・・
色々な声かけ方法があると思います。
さいごに…
基本的に声をかけるときって日常的なことがほとんどかと思います。その”日常”で声をかけることはもちろんですが、日常の中にある”非日常”をたくさん見つけてあげてください。
子供にいろんなことを教えてあげられるチャンスは本当にいたるところに転がっています。
そのチャンスを生かして、子供の語彙数と、体験を増やしてあげてください。