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日常会話で使う語彙数を1000語から2倍の2000語にするのは簡単!

公開日2016/09/19最終更新日2017/03/29

ことば・語彙

日常会話で使う語彙数を1000語から2倍の2000語にするのは簡単!

デフサポのユカコです。
さて、本日はシリーズ3回目!

①日常会話で使う語彙数
②語彙を増やすためにやってはいけない会話
③日常会話で使う語彙数を倍にする方法(今回)
④ご両親に求められることはこれだ!

1000~1500語を超えるあたりから日常会話だけでは語彙数が増えない!

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この解決策は簡単。

日常会話の語彙数を2倍に増やしちゃえばいい!

それでは普段より2倍おしゃべりすればよいのでしょうか…?いえいえ!そうではありません!!それだと労力のわりに似たような言葉しか使わないのでそんな時間をかけるだけ無駄です!

 意図的に普段使わない言葉をあえて入れていくだけで簡単に2倍の2000語までいきます。

でも・・・そういわれたってなかなか普段と違う言葉なんて思い浮かばないよ~~!という声が聞こえてきそうです。笑 大丈夫、絶対誰でもできるやり方です。

テレビ・インターネット等をそのまま見せてはいけない!

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まずは意図的にニュースを取り入れるのが一番手軽に手っ取り早くできる方法です。

例えば、「地震」「噴火」「株」「倒産」といった単語は、普段の会話ではあまり出てこないかもしれません。しかしニュースだとバンバンこういった内容が出てきます。

そういう時にこそ子供に言葉を教えるチャンスです‼‼

ニュースにも字幕が付いているし、TVをそのまま流しておけば自分で言葉を習得してくれるのでは…?と思ったご両親、その考え方は聞こえる人が聞こえる子供を育てるときの発想です。

難聴児にはどうしてもそういった風にTVや第三者から言葉の習得をするのはすごく難しいんですね。

※ある程度の言語力(最低でも1万語)を超えてくると、自分での自己学習ができるようになるのですが、日常会話がスムーズにできるというレベルであれば多くても3000-5000語程度かと思います。そうなるとどうしても親から子への語り掛けが必要となってきます。

テレビのニュースを復唱してもいいから、必ず親から子への語り掛けをすること!

例えば今だと…テレビを見ながら、広島カープの優勝のニュースを見たとします。

そうするとそのニュースだけで普段使わないような語彙がいろいろと出てくると思います。
「野球の広島カープが25年ぶりに優勝したんだって。」とか、「胴上げされてるね~」とか「歓喜感涙」とか、「悲願」「お祭り騒ぎ」とかそういった普段使わない言葉こそこういうタイミングで教えてあげることが大事です。

また、テレビがなくても(我が家もテレビありません…)、ヤフーニュース等簡単にまとめられているニュースを日常会話に取り入れるだけでも普段使わない言葉をたくさん使うことができます。

気象情報や、自然災害等も取り入れるべき内容です。
例えば、台風のニュース一つにしても、
「台風」 「暴風域内」 「接近」 「最大瞬間風速」 「観測」 「暴風」 「高波」 「大雨」 「高潮」 「うねり」 「厳重」 「警戒」 「危険」みたいな感じで普段使わない言葉が本当にたくさん出てきます。

こういうことをテレビでバーッと話されても、(字幕があっても)難聴者はぼーっと見て終わっちゃうんですね。なんとなーくの雰囲気だったりでなんとなーく分かった気になってるけど、実際「接近」ってわかる?って聞くと意味をちゃんと間違えずに理解している子は少ないと思います。難聴者は知らない言葉は飛ばして聞く癖がついてしまっている人も多いです。

なので、日常会話で台風の中出かける子供に対して・・・

「今日は台風が近くに来ていて、たくさん雨も降るし、風も吹いて危ないから気をつけようね。」

だけではなく、

「今日は台風が接近していて、大雨警報暴風警報がでていて危険な日だから気をつけようね」

みたいに言い方を変えてみてください。ニュースの内容をそのまま活用すればいいので結構取り入れやすい内容だと思います。それだけでもだいぶ言葉の数は増やせます。

小学生になったら子供新聞を1度は読ませて、家でその会話をしよう!

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それ以外にも新聞も大変活用できます。使い方としてはTVのニュースと同じような感じでOKです。

特に侮れないのが子供新聞。

結構大人になっても知らないようなことってたくさんあって、それがとても分かりやすく解説されているのですごくためになります。我が家も小さい時に取ってもらっていたし、私自身も子供がもう少し大きくなれば取ろうと思っています。

そして、耳が聞こえない子供にこそ、新聞を自分で読む力をつけてほしいと思っています。大人になって改めて新聞を読むことって相当な文章能力が付くな~と思いました。

私自身自分で新聞を読んでいました。※とはいえ、興味のある所だけ。最初はそれこそ4コマ漫画とかそういうところから始まって楽しい話があるようなコラムだったりとかで、ニュースをメインに読んでいたわけではありません。

文字がすらすらと読めるようになれば、できれば家に1-2社の新聞は最低おいてあってもいいと思います。新聞とまでいかなくてもニュースを印刷したものを子供の目につくところに置いておくとか。そういった環境づくりも大切かなーと感じています。

そうすることで日常会話でも新聞の話をしたり、そんな難しいことでなくても、「くまもんがね~」とかそういう子供が好きそうな話を取り入れてみてください!

どうしてこんなに語彙数にこだわっているのかというと、

難聴者には日常生活では必要ない言葉(学習言語)を会話の中で学ばせる必要がある!

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こういった本当に日常生活では必要ない言葉こそどんどん身に着けていかないと、学校での基本的な勉強にもついていけないレベルになってしまいます。

もし本人に蓄積されている語彙数があり、文章能力があると授業で言っていることがわからなくても教科書を読めば何を書いてあるのか、どういうことを説明されているのかがわかります。なので勉強もついていくことができるんですね。

しかし、語彙数や言葉の数が日常会話レベルしかなく、圧倒的に同年代の子と比較して足りてない場合はどうしても小学校の教科書レベルですら躓いてしまうことになります。小学校低学年のうちは暗記系も多いので何とかなっても、中学年高学年になっていくにつれて思考系が増えてくるとますます周囲の勉強についていけないことになってしまいます。

頭が悪いわけではなく、「聞こえないが故での語彙数の少なさ」でそういうふうに勉強ができない子になってしまうのはすごくもったいないと思います。

なので本当に最初が肝心なので2歳から小学校入学まで、そして小学校低学年のうちはどうしてもご両親は大変かもしれませんが子供の将来のためにできる限りフォローをしてあげてください。

次回は最終編!難聴の子を持ったご両親に頑張ってほしいことについてお話ししたいと思います。
次はこちら→★

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