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【難聴×ことば】品詞の発達について徹底解説!

公開日2018/03/24最終更新日2019/07/12

ことば・語彙

【難聴×ことば】品詞の発達について徹底解説!

前回は、言語の発達について記載しましたが、今回は品詞の説明と発達について徹底解説をしていきたいと思います!

例えば「形容詞」「助詞」の本質的な理解や、何歳くらいでこんな言葉が使える!って意外と知らないと思うんですよね〜。もちろん覚える必要はまったくないのですが、ふーん!こういう感じなんだ!と知ってもらえたらうれしいです♪

私自身、親になってみて思うのが…我が子が聞こえないってなると自分の子がどのくらい遅れているのか。。。とかも気になるし、定型発達の基準も把握した上で、難聴児はどういったことばが弱いのかがわかれば、普段の声掛けでも意識できるし、なるべくこういったことも知りたいな〜〜と思います。

なので今回徹底的にまとめてみました〜!(*^^*)

名詞

→物や、事の名称を表すもの

赤ちゃんが一番最初に理解する50語のうち、だいたい1/3くらいの16語くらいが名詞になります。そして発語し始める際も名詞が最も多く出ます。

難聴児に関しては定型発達よりもよりももちろん表出などが遅いことが多いのですが、名詞の出てくる割合は定型発達の子と変わらないなと感じています。※名詞の比率が低い子もいます。

形容詞

→名詞を修飾し、物事の状態や性質を表すもの

形容詞はだいたい「大きい」「小さい」から習得します。
定型発達の場合、2歳後半で「大きい」「小さい」であれば70%以上の子供が正しく理解します。

しかし、4歳後半〜6歳前半になっても、「厚い」「薄い」の形容詞の場合、正しく理解できる子供は20%以下となります。

つまり、形容詞の中でも一般的に会話内でよく使われる形容詞が圧倒的に「大きい」「小さい」になるため、そちらはすぐに理解するのですがあまり使わない形容詞になるとその単語や意味を知らないということになるんですね。
なので!なるべく大きい小さい以外の形容詞を多用するように意識した声掛けをしましょう!

疑問詞

→物事や事柄についての疑問を表すもの

疑問詞は会話には欠かせません。
親子コミュニケーションをする中でも疑問詞って本当によく出てきますよね?
なので疑問詞は実は表出が遅くても理解は早いです。

定型発達の場合、2歳前半「なに?」という言葉を正しく理解し、使うようになります。
その後、「どこ?」「だれ?」「どっち?」「どれ?」と進んでいき、最後は「なんで?」「どうして?」と進化していきます。

こういった言葉に対して最初は言葉が出ていても正確に答えられず、無言で返したり、トンチンカンなことを言うこともありますが、だいたい3歳〜5歳の間にかけて徐々に正しく理解して答えることができる様になってきます。

いろんな難聴児のお子さんを見ている中で、私自身が感じているのは定型発達よりスピードは遅くても
1回目、「なに?」「なに?」と聞くようになった時に色んな言葉をインプットしていくと、ことばが一気に増え、その次、「なんで?」「どうして?」と聞くようになり始めると次、2回目の言語爆発期が来ているな〜という印象です。

空間認識

→空間的位置関係を示すことばで、うえ、したなどを指すもの

3歳頃「上」「下」
4歳頃「よこ」
5歳頃「前」「後」「右」「左」

という順番で認識していきます。
余談ですが…私自身は空間認識力が弱くこういった言葉そのものを覚えたのは早かったのですが、小さいときは上手く答えることができないことも多々ありました。
例)この猫は犬から見て右にあるか、左にあるか?
という問題があったとして、指差しだと簡単に応えられるのですが、左!という感じではなかなか答えることができなかったです。(とはいえこれは、難聴からくるものなのか、文系だからなのか…わかりません!笑)

助動詞

→付属語で活用のあるもの

日本語では、早い段階で活用形を使って異なる意味を使いこなすようになります。
例えば、「食べない」「食べ」「食べちゃったという言い方もそれぞれ意味が違いますよね?

こういうふうに活用形のレパートリーが増えていくと、一つの単語を知っているだけで、いろんな意味合いの伝え方ができます。直接的な伝え方から間接的な伝え方ができるようになればGoodです。
直接的な伝え方→「食べた」「食べない」「食べ
間接的な伝え方→「食べたい」「食べよう」「食べてみて

今回は細かく解説しているので書いていますが、まず直接的な教え方から…と教えていくのではなく、「活用形を使ったことばもどんどん使う!」と意識しましょう!大事なのは日々の生活で”簡単に取り入れることができる”ようにすることだと思っています。

助詞(格助詞など)

→活用がなく、単語と単語の位置関係などを示すもの

これを見てもなんのことや・・?となると思うので、ざっくり説明しちゃいます。
格助詞→「が」「を」「に」
係助詞→「も」「は」

3歳頃になると「が」「は」を使って高度な文章を作ることができるようになります。
最初は名詞+動詞の文章ができるようになります。
(例)ごはん(名詞)+が+できたよ(動詞)。

そのあと、だんだんいろんな品詞がくっついて文章が長く、高度になります。
そして、一般的な言い方とは逆の文章を理解できるようになると格助詞を本質から理解している!と言える用になります。大体5歳以降です。

(例)
一般的な文:ヘビは カエルを 追いかけました。
逆の文:カエルを ヘビは 追いかけました。
(└5歳以降でこの理解ができればOK)

そして…難聴児はこれがすっごーーーーく弱いです!
見ている中では、大体、5歳でできれば優秀な方。
できない子は小学校中学年になっても苦手です…。
というわけで!しっかりこのあたりは鍛えていきましょう!ある程度助詞がしっかりしてきたら、次のステップでご両親からの語りかけは逆の文章をあえて使ってみるのもいいですね!(*^^*)

ユカコ

そして、やっぱりことばには入力頻度が大事です!
難聴児が分かるようにする必要はありますが、頻繁に耳にするように様々なことばを入れていくと、それだけことばは入ります。
もちろん、入れていくのは大変なことも多いと思いますが、一緒に頑張りましょう♡

まとめ:語彙の発達は個人差が大きい!

語彙の発達は個人差が大きく、最初の表出が遅くてもすぐに追い越す子もいれば、ずーっとゆっくりな子もいます。もちろん人間の発達ですからそれが普通です。

その上で、難聴児が苦手なポイント、そして声掛けの意識ポイントを入れてみましたので少しずつでも家で取り組んでもらえるとうれしいです!(*^^*)
覚えなくても、知識としてこういうことをざっと知っているのと知らないのとでは意識も違ってくるかなあ〜と思うので、デフサポではなるべくこういった知識をわかりやすくお伝えしていければと思ってますーー!

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