ご両親が知っている語彙数は関係ない!どれだけ会話で使えるかが難聴児の語彙数に比例する!
公開日2016/09/25最終更新日2017/03/29
ことば・語彙
デフサポのユカコです。
本日はシリーズ最終編!
①日常会話で使う語彙数
②語彙を増やすためにやってはいけない会話
③日常会話で使う語彙数を倍にする方法
④ご両親に求められることはこれだ!(今回)
絶対難聴児よりもご両親のほうが多くの言葉を知っているハズ!
聞こえるご両親を前提として考えたとき、ご両親の知っている言葉が一般成人者と平均だとして、必ず難聴児よりもはるかに多くの言葉を知っているはずです。
しかし、難聴の子供にはどうして普通の子のように教えてあげられないのか、親が知っているのに、子供が知らない単語はすごく多くなってしまうのはなぜか・・・
これらには原因があります!
難聴の子供に対して、なるべく多くの語彙を入れてあげるのが大切なのですが、頑張って語り掛けているつもりでも、同じような言葉を使っていることが多々あります。前回のとおり、ニュースを取り入れることはもちろん大事なのですが、それよりももっともっと単純な簡単なことがあります。
それはなにかというと…
誰でも知っているけどいろいろな言い方がある言葉をたくさん言い換えて使うこと!
例えば、「机」以外の言い方、何個思いつきますか?
「つくえ」「テーブル」「こたつ」「ハイテーブル」「センターテーブル」「ちゃぶだい」「勉強机」「ダイニングテーブル」「ローテーブル」「カウンター」・・・等いろいろな言い方があります。
この言い方、難しいものではないしご両親は普段使わないけど、知っている言葉ですよね?しかし、どうしても難聴児のご両親の場合、子供が知っている単語で会話するほうが楽なので、一度机と教えたらずーっと机ということが多くなってしまいます。
手話を併用している家庭は特にその傾向が強くなりがちだと思います、手話は日本語のように数多くの言い回しがあるわけではなく、どのようにも解釈できるのでついついご両親が普段使っている日本語に変換してしまうんですね。
なので・・・なるべくたくさんの言葉を難聴児に入れるためには一つのことばではなく、いろいろな言葉を使うように気を付けることが大切です。
言い換えことばは意識して使おうと思わないと使えない!
言い換え言葉をなるべくたくさん言うことで、自分は普段使わないけど知っている…という言葉をとにかくたくさん使うことがまず第一に必要です。
たとえば「お母さん」ひとつにしても、「ママ」という子もいれば「おかあさん」という子もいればオカンだったり、母だったり、お母さまかもしれません。本当にいろいろな呼び方があります。聞こえる子は友達がお母さんのことをオカンって呼んでる~というのを聞いて、「オカン」って呼び方あるんやな~と漠然と知っています。
聞こえない子に対してはやっぱりある程度親から子に直接1:1でいろいろな言葉を教えてあげないとどうしても「オカン」という言葉を知らないまま大人になって、初めて知ることになります。(下手したら一生知らないままという可能性もあります。)
言い換え言葉だったり、数多くの言葉を入れるために子供との会話内でたくさんの言葉を増やすには何が大事なのかというと・・・
難聴児の語彙数を増やすためにはご両親がキーポイント!
特にこの2つは本当に大切なポイントとなります。
・親の持っている語彙数
親がどれだけ語彙数を持っていて、一つの言葉だけでなくいろいろな言い回しができるだけの言葉の力があるかどうかが重要になってきます。こちらはベースとして必要な力となります。
・会話の流れで引き出しをパッと開けていろんな言葉に変換する反射力
そしてこれが最も大切なのですが最も難しいことでもあります。普段使わない言葉をあえて会話の中でサラッとチョイスしたり、子供がこの言葉は知らないだろうな~と想像をつけながら適度に知らない言葉を織り交ぜるだけの反射力が必要になってきます。
とはいえ・・・急にやれと言われてもなかなか対応できない人のほうが多いと思います。
難聴児だけでなく、ご両親にも日々の鍛錬が大切!
なので練習がてらいろいろな言葉を言いまわしてみたり、聞こえる人との会話でもあえていろいろな言葉を出せるように意識してみたり…そういったことがすごく大切になってきます。
例えば
・とてもきれいな夕焼けだったね。
このとてもをほかの言葉に言い換えるならどんな言葉が思い浮かびますか?1分で思い浮かぶだけ思い浮かべてみてください。
・めっちゃきれいな夕焼けだったね
・とってもきれいな夕焼けだったね
・驚くくらいきれいな夕焼けだったね
・かなりきれいな夕焼けだったね
・びっくりするくらいきれいな夕焼けだったね
・大変きれいな夕焼けだったね
・すごくきれいな夕焼けだったね
・本当にきれいな夕焼けだったね
・信じられないくらいきれいな夕焼けだったね
・相当きれいな夕焼けだったね
・・・・等本当にいろいろな言い方があります。
言われてみれば、ああーそんな言い回しもあるな~~!って思うし、知ってる言葉がほとんどではないですか??しかしなかなか普段の会話でこれら全部をうまく使ったりできません。
難聴児のご両親は、ただでさえ普通の聞こえる子の両親に比べて大変なことが多いです。療育や言葉の教室に行ったり、聾学校の幼稚部で出される宿題があったり…。
そんななか、こんなことまで気を使ってられない!!
という気持ちもすっごくわかります。でも、子供が小さいうちの数年の話です。基本は3歳から6歳を重点的にがんばっておけばだいぶ土台はできます!!
できる範囲でいいので「意識して」いろいろな言い方をするように気を付けて、会話をしてみてください。
きっとその頑張りは必ず実を結びます!