【ソーシャルスキル訓練】①コンビニ編
公開日2015/10/07最終更新日2019/11/20
■コミュニケーション
ソーシャルスキル訓練について
私は自分自身の経験から、難聴児にこそ“ソーシャルスキル訓練”が必要であると感じています。
聞こえる人は自然と意識せずに耳にしているのですが、やっぱり耳が聞こえないと体験して経験値を積んでいくのが一番身につく方法だと実感しています。
小学校に入るくらいに、ぜひ取り入れてみてください。
”訓練”ベースにはしなくてもよいですが、日々の一部として取り入れてほしいと思っています。
まずは、コンビニ訓練から。なぜかというと
コンビニでも聞かれることはたくさんある!
身近だし子供でも行きやすいコンビニです。
えー!コンビニ行くだけでそんなにコミュニケーションってないでしょ〜?と思っている方、多いと思います。
そのくらい聞こえる人にとっては意識しないくらい些細な一言なんです。そんな簡単な一言のために難聴者は聞き返したり、買物がいやだなーと思ったりすることもあるんです!
私自身、コンビニに慣れるまでそうでした~!!笑
だって、1回しか行かないコンビニでわざわざ“私、耳が聞こえないんです~”とかいちいち言うのも面倒だしなあ…とか思っていたので…。
では。よくコンビニで耳にするフレーズといえば・・・?
・「ポイントカードはお持ちでしょうか?」
・「よろしければポイントカードをお作りいたしますがいかがでしょうか?」
・「今ご入会いただくとキャンペーンで○○円キャッシュバックとなり~・・・(説明」」
・「お箸はいかがいたしますか?」
・「こちら、暖めますか?」
・「一緒の袋に入れてもよろしいでしょうか?」
・「塩、タレどちらにしますか?(コンビニの焼き鳥などの購入)」
・「年齢認証をお願いします」
・「身分証明の提示をお願いします」
さらっと思いつくことを書くだけでこの量!結構多くないですか!?
あの一瞬のレジでこれだけのことを聞かれたりするわけです。
難聴者にとってはコンビニの会話すらハードルが高い!
このようにレジで聞かれたとき、健聴者は何の気なしに普通に聞いてさくっと回答していると思いますが、難聴者にとっては突然いわれると「えっ?」「なんて?」と聞き返したり、なんて聞かれるんだろう…と身構える場面となります。
さらにですね、こういう時の体制を思い出してください。
“鞄から財布をだそうとしていたり”
“財布を見て下を向いていたり”
店員さんの方を見ていないことって多いと思いませんか?
しかも!!適当に分かってなくても「はい」とに答えられない質問が多いんです。
ちゃんと正確に答えなければなりません。
例えば・・・
店員さん:「ポイントカードいりますか?」
難聴者:(わからなかったからとりあえず)「はい」
店員さん:「ではこちらに名前と住所を…」
難聴者:「えっ!?なんで?あ、ポイントカード!?ごめんなさい、いらないですー!!」
みたいになってしまいます。←実は何度か経験あり笑
・一番の解決策はなにか
場数を踏んで、経験値を上げることが一番の近道です!!!!
なぜかというとたいてい何処でもコンビニなどの会話は「パターン化」されているためです。
店としてはマニュアルというレベルで、本当に簡単な一言ですが、、、難聴者にとってはコミュニケーションの一つとして知っておくだけで予測がしやすくなります。
コンビニでなんていわれたのか分からず、「今なんていったんだろう?」という時に「ああ、お弁当を買ったからもしかしたら温めるかどうかきいたのかな?」という風に予測がしやすくなります。
聞き返すにしても、ある程度見当がついた上で聞き返す方が断然分かりやすいため、難聴者にとっていろいろなところで様々な経験を積むことは必要なことであるといえます。
つい“今”楽な方に流されがちですが、難聴者自身で受け答えが出来るように、なるべくいろんなことにチャレンジしていくと、“将来”が楽になります。
そして、もう一個大きい問題点があります。
難聴児の親や周囲の人が過保護すぎることが多い!!!
これが実は一番の問題点です。
私自身、基本的に聞こえる人と遊びに行くことがほとんどだったため、聞き逃していたら後ろからさらっと答えてくれたり、わたしに通訳してくれたりしていました。
当初は意識していませんでしたが、高校生くらいになって1人でも出かけたりすることが増えてくると「あれ?買い物にいくだけでコミュニケーションって思ってたより意外とあるなあ〜」と思うことが増えてきました。そして聞き返すことも多々ありました。
やっぱりどうしても“聞こえる親や兄弟”は“聞こえない子供”よりもつい先に自分が答えてしまったり、どうせわからないだろうからと親が店員さんの言っていることを通訳してしまっていることが多いと思います。もう癖なんですよね。もちろんそれが悪いわけではありません。
ただ、子供のことを思うと、はっきりいってやりすぎている親は多いです。
子供のうちから、“自力で聞かせて回答できるような訓練”をさせておくことで将来自分で買い物に行けるようにしてあげてください。
もし、子供が分からなかったら
“聞こえなくてわからなかった”
“もう一度言ってください”
等自分でいえるように教えてあげてください。
そして、子供がどうしてもわからない時などは子供が凹み過ぎてしまう前に、フォローしてあげてください。
本当に、一緒にコンビニに行ける、子育てをしている今がチャンスです!
成功体験を積むことの大切さ
前もって、コンビニでは、こういうことを聞かれているんだよ!と教えてあげてもいいです。分からなかったら、家に帰ってからでもいいので、何を言われたのかおしえてあげてください。
そこで2回目、もしかしたら10回目かもしれませんが子供が“自分で聞き取って” “答えられた” ら、
やった!私、自分でできた!!!と子供にも自信がつくんです!
難聴者はいーーーーっぱい失敗体験があるんです。
それこそ、小さい時から。
だから物心がつくころにはつい物怖じしてしまって自分で買い物に行ったり、話すのが嫌になったりすることがあります。
なので、適度にフォローしつつ
あ!私買い物できる!ちゃんと言ってることわかった!という成功体験をたくさん積ませてあげてください。
買物なんて何回か聞き返したってそのあと何度も会う訳じゃなし、やってみなよ~!いざとなったらパパ、ママが助けてあげる!と子供にチャレンジさせてあげてください。
うーん、今日も長くなりすぎた・・・。ここまで読んでくださってありがとうございます。